帰宅後、最近やけに多い気がするが… またふわりと気絶。 覚醒したのは午前2時。 だが、ここで布団を敷くから日記が止まるのだと奮起、 フンドシを締め直し、携帯を開いた。 あとは、素早く日記を書いてしまえば事は済む。 頼む…今日こそは、早く校了しような。
出勤時、雨が降る街中をトボトボ歩いていると、 後方から自転車。 夜になって本格的な雨になるまでは、何やら一進一退であった空模様。 その為、朝には自転車を駆る人間も目についた訳だが、 後方からの自転車の搭乗者は、何やら上からコートの様な物を着込んでいた。 レインコート…?いや、あの風にたなびく様は、まるで…! 後で考えをまとめてみれば、あれはポンチョか何かだったのかなあ、とも思うが、 その瞬間、極爆の脳裏に浮かんだのは一つのフレーズ。 「か、怪人黒マントだぁっ!」 そう、風を切り裂き、左右に広がりバタバタと翻る様は、 明治、大正に学生が着ていたと言われるマントを極爆に連想させたのである。 この電波が飛び交い、光で他者と交信する時代に、何という…。 前方から視認したり、近距離で確認出来たならば、印象も違ったのかもしれない。 まして、時刻が昼以降であれば、はっきりと正体を確認出来た筈だが、 朝の頭が働いていない極爆には、マントにしか見えなかったのである。 極爆にとっての「誰そ彼どき」である朝に出会った怪異。 まあ、枯れ尾花である可能性の方が圧倒的に高いが、 しかし、事実怪人であった可能性とてゼロでは無い。 もう一度、奴に会ってみたい気もするが、朝方に出会えば、本日と同じ感想しか得られまい。 正体不明の黒マント襲来に、朝からテンションが上がった極爆。 時刻と天候、そして極爆のコンディションが生んだ奇跡の邂逅。 この瞬間なら極爆は、空飛ぶ風船すら疑い無く「UFO」と知覚してしまうのかもしれない。
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