せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年01月04日(水) 「ブロードウェイの100年」

 NHKの夜中にやっている「ブロードウェイの100年」がおもしろい。前にも一度見たものだけれど、戦前からほぼ現在までのブロードウェイミュージカルの歴史と舞台裏が、「作り手の立場から」丁寧に語られている。
 今日は「マイ・フェア・レディ」の初演まで。ジュリー・アンドリュースの舞台姿と歌声に圧倒される。
 今のミュージカルのありようにたどりつくまで、ほんとに大勢の人が思いつく限りのアイデアをしぼりだして、おもしろい舞台を作り出そうとしていたという、そのことがよくわかる。
 人種差別の問題をまっさきに取り上げていたのが舞台だということが、僕にはとても大きな事に思える。
 白人が黒人に扮するミンストレル・ショーについて知ったのは、このシリーズがきっかけだ。「ポギーとベス」、それに「南太平洋」というミュージカルの意義についても、上演された背景を知って初めてわかったことが多い。
 大衆によって支えられながらも、大衆に迎合はしない。不屈の魂が生み出したものだけが、名作となって残っていくのかもしれない。
 「娯楽作品」として取り上げられがちなミュージカルだが、舞台にこめられた熱い思い、「娯楽」とは全く別なシリアスな側面がわかるとよりいっそうおもしろい。というか、おもしろさ中心にとらえていた自分の意識をちょっと反省する。知った上で楽しんでしまい、笑い飛ばす、そのことが大事なんだと。


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