せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2005年12月01日(木) |
おちないリンゴ「グリニッジ・ブルー」 |
マイズナーワークショップ。2週間ぶり。今日は、まず基本のリピティションから。コールをあまり変えないというのと、演じようとしないということを考えて、できるだけ何もしないようにだらっと椅子に座った。 で、始めたのだけれど、思い切り笑われてしまう。相手の彼女ににも、見ているみんなにも。何もしてないんだけど。何もかもがおかしかったらしい。自覚はなし。ロジャー・リーズのワークショップで、ロジャーに「シンはファニーだよね」と言われつづけたことを思い出す。 笑われながらも、自分なりの課題はそれなりに達成。観察と集中と反応。いいかんじ。 後半は、テキストを使う。「ブレイキング・バック・オブ・ザ・シーン」。シーンの背骨をこわしちゃうということらしい。 僕たちは初めての台本をもらうと、何行か先までを読みながら、余裕のあるときはざっと全部に目を通して、「正しく」読もうとする。 でも、このエクササイズでは、それをしない。1行ずつ。1センテンス。もしくは1語ずつ。意味なんかいい。目に入った言葉を相手に対して出していく(伝えようとしなくていいと藤野さんは言ってた)。 これはとってもむずかしかった。僕は、どうしても先を読んでしまう。そして、「らしく」読んでしまう。そうじゃなくて、ただの音、もしくは単語として、発していくことのむずかしいこと。 僕の前にやった何組かを見ていると、しっている台本が、全然違うおもしろさで立ち上がっていくのがわかった。 目の前に相手に話すというただそれだけのシンプルなことが、どうやろうかと考えてしまうことによって、話しているその人自身がいなくなってしまうんだなあと思った。 別の紙で次のセリフを隠して、見えてきた行だけを声に出す。でも、見えるとそれをどうして「らしく」読んでしまう。 そのうち、見えたんだけど、見えなかったことにするとか、自分のなかで「ずる」や「操作」をいっぱいして、そのうち、単語1つずつに集中すればいいんだとわかってきた。そのあたりで、おしまい。 まだまだよくわからないし、できているとも思えないんだけど、新しい課題としてとてもおもしろいものに出会えた。 解散したあと、藤野さんや明樹さんたちとはじめてお昼を一緒に食べる。いろんな話ができてとても楽しかった。 その後、渋谷で三枝嬢と打ち合わせ。近況報告とこれからの予定を知らせ合う、定例のミーティング(?)。クリスマスの話題やら、gaku-GAY-kaiのことやら。 夜、下北沢OFF・OFFシアターで、おちなりリンゴ公演「グリニッジ・ブルー」を見る。春の青年座スタジオでご一緒したシルバーガールズの面々が旗揚げした劇団の第一回公演。 狭い、とってもおなじみのOFF・OFFシアターを、きれいに使ってる装置にまずびっくり。さすがの仕事ぶり。 お話は、歌と踊りといっぱい流れるジャズで彩られた不思議なもの。家族を失った画家の再生のお話かな?とも思ったのだけれど、ストーリーを追うことよりも、そのときそのとき、活き活きとやりとりしている彼女たちがとてもステキに見えた。 「贋作・Wの悲劇」に出演してくれる木村さん、堀内さん、吉川さんも、「ああ、こんな芝居をするんだ」と新鮮な感動。シルバーガールズはセリフがなかったからね。 ただ一人、客演している男性、石塚義高さんがとてもよかった。きっちりとそこにいて、芝居をして、ステキな人だなあと思った。 終演後、制作の梨紗ちゃんにご挨拶おしゃべりしたあと、リンゴのメンバーにもお疲れさま。 gaku-GAY-kaiのことをちょっとだけ伝えて(歌ってほしい曲とかね)、よろしくお願いしますと話す。 それにしても、堀内さんは、なんであんなにドラァグクィーンみたいなんだろ。前には気づかなかったおもしろさを、一つ発見。さっそく使わせてもらおうと考える。
gaku-GAY-kai本番まで、あと24日!
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