せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2005年07月13日(水) |
富士見丘小学校演劇授業 「Four Seasons 四季」稽古 |
富士見丘小学校の授業。今日は谷川俊太郎さんによる「みんなで『詩』をつくる」。 去年は、「これはのみのぴこ」のような「つみあげうた」を全員でつくったので、今年もそうだろうと思っていたら、全然違う詩のつくりかただった。 自分の名前を分解して、そのなかに隠れた言葉を拾い出して、それを元に詩をつくる。 たとえば「せきねしんいち」だったら、「せき(席・咳)」「きね(杵)」「しち(七・質)」「しせい(姿勢)」「しきい(敷居)」「いち(位置・市)」「きせい(帰省・既成)」「きんせい(金星・禁制)」「ちんせい(鎮静)」「せんせい(先生)」「いんせき(隕石)」「いんちき」「いちねんせい(一年生)」「センチ」「インチ」「キンキン」「いんいん」……なんて言葉がかくれてる(今、初めて探してみたんだけど、こんなにある!)。これを使って詩をつくるとたとえば(これも今やってみる)……
「近々、新一年生、金星に帰省 センチな姿勢で七年 先生の咳は鎮静 記念の市は禁止 隕石の遺跡はインチキ!」
(意味:間もなく新一年生が金星に帰っていく。さみしい思いをした七年の旅。引率の先生の持病の咳は治ったけれど、帰省を記念したバザーは禁止されていたし、楽しみにしていた隕石の遺跡もインチキだとわかってがっかりしてしまった。)
すぐできたけど、これはよくない見本です……(笑)。ていうか、名前の中に「インチキ」が入ってるってことに、ややショック。 子どもたちは、「国語の授業みたい」とはじめのうちなかなか入りにくかったようだったけど、だんだん要領がわかってきて、それからは元気に楽しみ始めた。できた子が次々、黒板に書いていって、それを自分で読み上げる。 僕は、青井さん、篠原さん、田中さん、先生方と一緒に、子どもたちの間を歩き回り「ほらこんなのが隠れてた!」とアドバイス。先に授業があった2組では、どこまでアドバイスしていいのかためらってしまったので、後半の1組では、どんどん子どもたちの間に入っていって、一緒になっていろんなものを考えていった。「ほら、ここに『サスケ』がいる!」とか「ここに『しっとり』と『ほとり』があるじゃん!」とか。 名前の中にある言葉以外に、よそから持ってきた言葉をたくさんつかって、不思議な雰囲気の詩ができたり、なんだそりゃと、笑わされてしまったり、楽しい授業だった。 ただ、子どもたちに、これがどう演劇の授業につながるのかということを、説明しきれていなかったかもしれないと反省する。 休み時間に「よくわからない」という男子としゃべった。「いつもの授業で声を出しているように、今日は言葉を書くとき、口ずさんでごらん」と話す。廊下には、富士学園の移動教室について書いた俳句が貼り付けてあった。なかなかの名句がいっぱい。「これを書いたとき、声に出したでしょ? それと同じだよ」と。少しはたすけになったかな? 授業の終わりの谷川さんへの質問コーナーでは、「鉄腕アトム」の作詞をしたのが谷川さんだとわかると、子どもたちには谷川さんが急に身近になったようだった。もっと早く話しておいてあげればよかったかもしれない。 前期の授業は、今日でおしまい。休み時間、子どもたちと「夏休みが終わるとみんな急に大きくなるんだよね」とおしゃべりする。僕のとなりで背伸びをする男子女子数名。すでに、負けてるし……。「またね! 元気でね!」と言って別れてくる。
稽古は、昨日の続きをていねいに。細かいリアクションを積み上げることで、人物の基本的な行動のクセが見えてくる、そんなかんじ。 昨日まで、今ひとつだった、テーブルを囲んで全員が立つシーン、不思議な一体感が生まれた。 その後の「みんなでとりあえずわいわい言ってみよう」と話したシーンも、するっと成立した。 どうでもいいようなベタなリアクションを何人かで同時にすることを、繰り返すうちに、お互いの息があってきた、そんな気がする。 2場のマミーは、初めから終わりまで大奮闘。途中で僕が登場して向き合うと、汗だくになっている。大きなアクションがあるわけでもなく、ただただしゃべり続けているだけなのに。ごめんね……とあやまる。 思いついてしまった、ベタなギャグをうちの芝居にはめずらしく取り入れたら、なんだそりゃな場面がまたできあがる。マミーが、違うバージョンも思いついて、それもいいねえ!ということになった。 帰り道、稽古場の近くの緑道の八重桜の大きな木を指して「この木が舞台の正面にあると思ってくれるかな」と早瀬くんと小林くんに話す。この木なら上れそうだし、何より、実にいい顔をしている。稽古場に来るたび、この木の前をとおる。僕らにとって一番身近な木だ。
「Four Seasons 四季」初日まで、あと14日!
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