せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2005年07月04日(月) |
富士見丘小学校演劇授業 「Four Seasons 四季」稽古 |
富士見丘小学校の授業。青井さんがお休みになったので、篠原さんと二人で担当。 シアターゲームからスタート。輪になって、全員で20まで数えるというもの。同時に言ってはいけない、「タケノコにょっき」のようなゲーム。お互いをちゃんと見ていないと成功しない。遊びながら、だんだんみんなを見ることを身につけていく。 続いて「私はトランクにつめました」を。いろんなものがどんどん登場する。なかなか思い出せない子に、みんなでジェスチャーでヒントを与えてもいいということにいつのまにかなってしまいジェスチャー大会?に。そのうちに「言葉」でもヒントがどんどん出て、連想ゲームのようにも(笑)。それでも、子どもたちはとっても元気に楽しんでいたと思う。見ている子たちも、よく集中していた(ヒントを出すのに忙しかった子がおおぜいいたせいもあって)。 後半は、篠原さんと相談して、「物語」をつくってもらうことにした。今日の授業のテーマは「自分を話す、人を聞く」だったのだけれど、「自分を」話すのではなく、オリジナルの物語を「自分で」話てもらうことした。 あらかじめ5つに分けてもらったグループ毎に、1人「文章1つずつ」しゃべって、物語をつくっていく。テーマは、前のグループが相談して決める。登場したテーマは、「はげずきん(「赤ずきん」じゃなくて)」「つるの恩返し」「ごくせん」「アルプスの少女ハイジ」「アンパンマン」「カチカチ山」「ももたろう」などなど。 なかなか続きが思いつけなくて、考え込んでしまった子が何人かいたのだけれど、「パス」ということにしないで、なんとかがんばってもらった。その子たちもそれぞれよくがんばったと思うけれど、それをささえたクラスのみんなの応援のしかたも素晴らしかった。「なんで、できないんだよ?」とやじることもなく、「まったく、もう……」と無視するのでもない、ちゃんと見守っているようすはクラスがいいまとまりかたをしている証拠だと思う。 前回と同じように、演じ手だけでなく観客もこの場を支えているんだよと初めに話す。その約束を、子どもたちはよく守ってくれていた。 その他にも、合間合間に芝居についてのいろんな話をさせてもらう。「やってる人が笑っちゃいけないんだよ」とか、「芝居は、演じ手と客席の間、このあたりに生まれるんだよ」とか、もう何度目かの「演じ手だけで観客がいないと、芝居はなりたたないんだよ」とか。芝居は約束だ。そんな約束を、演じる喜びと一緒に、彼らに伝えていきたいと思う。 午後、見学に来てくれた横内謙介さんと打ち合わせ。これからの授業のことなどなど。扉座は、子どものための演劇教室をいっぱいやってきている集団。そんなノウハウもいろいろうかがって、とっても参考になった。
夜は稽古。早瀬くんが仕事の都合でお休み。今日、新しく持っていった改訂した2場のラストは次回読んでみることに。 1場のオープニングをていねいにつくっていく。ひととおり流れるようになったので、もっとこうして!という課題をそれぞれ伝える。 何度もやっていくうちに、三人の色がどんどん違ってくる。バラバラなのに、いい調和を見せてるそんなおもしろさ。 「こんなふうにやってみよう」というのではなく、外から何を背負ってくるか、相手の言葉や行動をどう受け止めたかということをポイントに、通過点を確認していく。気持ちの「折れ」がものすごくくっきり立ち上がっていく。 ノグは、冒頭のマミーとのやりとりのほんの短い時間に、いくつものポイントがあることを確認。軍手を外すタイミングのちょっとした違いで、意味が全然変わることなどを発見する。 マミーは、天辺さんとやりとりしながら鼻の頭に日焼け止めクリームを塗る様子がにくらしくてたまらない。高ビーな物言いが、聞いているノグと天辺さんの立ち位置で、急に「大バカもの 」に見える瞬間があって、小林くんと二人で大笑いする。それも、天辺さんが、歩き出すタイミングをちょっとだけ早くしてみた結果だ。ほんの少しの違いで、こんなに違ってくるんだねということを確認して、共有する。 天辺さんは、生き生きと闊歩できるようになったのが素晴らしい。無意識に座ってしまったとたんに見えてくるおかしさ。そのことに気がついて慌てて怒る流れを確認。 僕の登場する場面に続けて、僕のかわりに小林くんに入っていってもらう。前からちゃんと見て、その場にいる人々の僕の役に対する「いかた」を確認。初演のときは絶対に見えてない、そしてやってないことがどんどん見えてくる。ここでもいくつもの通過点を確認。3人の登場人物がきっちり自分らしくこの場にいて、無意識にすることまでもが相手にとっての何かになっていくそんな場面。生き生きとした冒頭のシーンになったと思う。 で、今日はここまで。いい稽古だった。 マミーが塗っていた日焼け止めクリームが実は手近にあったリンスだということが判明。稽古のあと「リンスくさくて」って言ってたけど、だいじょぶなの?とちょっと心配。 今日は朝からたくさん話した。授業でこどもたちと、その後、横内さん、篠原さんと。そして、稽古前には、ノグとこの芝居の構造について。 話すこと、もとい、話し合うことは、必ず何かを生むんだということを実感した日だった。 その何かというのは、僕にとって、前向きに生きていくための元気と勇気だ。 「Four Seasons 四季」初日まで、あと23日!
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