せきねしんいちの観劇&稽古日記
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| 2005年03月16日(水) |
「二人でお茶を TEA FOR TWO」初日 |
朝から稽古。そして、午後にゲネプロ。 どうなるの?とも思えないいっぱいいっぱいな気持ちのまま、初日の幕が上がる。 いつも出番の前には、袖でスタンバイをしている間、何をしゃべればいいのか真っ白に鳴るものだけれど、今回は、その真っ白になる戸惑いが生じる余裕もない。とにかく、一度始まったら1時間40分、舞台にいないときは、舞台裏で大急ぎで着替えている。次はなんだっけ?と考えたり、台本をめくったりする余裕もない。 開演前、森川君と二人、パンツ一つで衣裳を抱えて立ちながら、それでも、出るのが怖いとはこれっぽっちも思わなかった。不思議な勇気がわいてきた。 今回の稽古の間中、僕は、一度も、後ろ向きな気持ちになることはなかった。 ねばりにねばればいいものができる。相手役の森川くんと、スタッフのみんなを信じていけば、そして、何より、自分自身を信じていくこと、そのことへのおもいがゆらぐことはなかった。 次はなんだっけと思いながら、森川くんの言葉を聞いて、それに応えていく。森川くんも僕の話すことを聞いて、自分の言葉を発していく。台詞を思いだしながらということでは全然ない、正味のやりとりがどんどん続いていく。それは、とても不思議な気持ちのいい、しあわせな時間だった。 1時間40分後に終演。舞台袖で森川くんと抱き合う。そして、スタッフのみんなとも一人一人。 この時間のことを僕は忘れないと思う。森川くんだけを頼りに生き続けた舞台上での時間に、それを支えてくれるお客さまの力が加わって、僕は間違いなく、一人ではできないことをなしとげる力をもらうことができた。 お客様から感想をうかがう。見た後に話をしたいと思う芝居がいい芝居なのだろうと僕は思う。感想を言ってくれるんだということと、いい顔で劇場を出てきてくれたお客様にほんとうにありがとうございましたと言いたい気持ちだ。 「ゴッホからの最後の手紙」の作者、宇都宮裕三さんも来てくれた。北大の卒業生である彼は札幌にとっても縁が深い。そんな彼の感想がどんなものか正直心配だったのけれど、いろいろ話してくれたってことは、だいじょぶだったのかなと思ったりする。 帰り、みんなで初日乾杯。高市氏もいっしょに。こんなにおおぜいな初日の飲みはひさしぶり。見ていてくれた、いっこうちゃん、郡司くんから感想を聞く。最前列で見ていてくれた郡司くん。6場になってようやく彼がいることに気がついた。舞台から見えた、彼の笑顔も忘れられない。 こんな初日が迎えられたことを、すべての人に感謝。 これから千秋楽までの残り9ステージ、きっちり悔いのないように作り上げていきたいと思う。
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