友人の別荘へ行く途中の高速道路で、 目の前で起きた4台の車が巻き込まれた交通事故。
スバルと私の目の前で起きた事故でした。
救急車や警察の車が到着するまでの間、 通りかかった一般の車の人たちが雨の中、次々と車を止めて、 自分たちの毛布を運んだり、事故に巻き込まれた人たちを気遣っていました。 雨でずぶぬれになりながら、見知らぬ人に真剣に力になっている様子を スバルは見ていました。
警察が来たときに警察の人たちが、かわるがわる 『だいじょうぶ?』と力強く対応していたこと、 そして、事故に巻き込まれた小さな子供たちに、ふわふわのぬいぐるみを わたして、安心させていたこと。 スバルもそんな光景をじっと見ていました。
目の前で事故を目撃した私とスバルは、警察で事故の様子を聞かれることに。。。
ニュージーランドに来てまさか警察に行くことになるとは。。。。 でも、これも偶然ではなく、何か必要があるのです。
パトカーに乗せられて私たちは警察へ。 警察はなんとも明るく、警察官の人たちのあたたかく、親切だったこと。
外国人の私に、通訳が呼ばれ、一時間以上待って、通訳の女性がやってきました。
「Yと申します。よろしくお願いします。」 きりっとした表情の中に、心の底からにじみ出るやさしさ、 仕事を一生懸命にやっている人独特の自信に満ちた表情。。。
それが私とYさんとのはじめての出会いでした。
Yさんのおかげで調書もスムーズに終わり、 Yさんは通訳をしながら、私たちを気遣ってくれます。
「旅行に来て、時間がないのにここで待たされて大変でしたね」
Yさんの言葉のひとつひとつに感じられるあたたかな感覚って いったいどこから来ているのでしょうか。。。
「大変でしょうから」と、Yさんはご自分の車で私たちをホテルまで 送ってくれることになり、車の中でのYさんとのお話は、 どんな観光スポットを巡るよりも楽しいものでした。
Yさんは、気がつけば16年、ニュージーランドにいること。 今はこうして正式な通訳として警察や裁判の手伝いをしていること。 そして、今日本人の留学生たちの心のケアーをしていること。
『ここなんだわ!!!』 私の心の声
すべてを受け入れてくれるエネルギーを発しているYさん、 『この人ならら、だいじょうぶ!』という信頼の感覚。
今でも、あの警察のドアが開いてYさんが入ってきた瞬間に、 人が持っている、なんともいえないあたたかな感覚が流れ込んできたこと が忘れられません。
私が久しぶりに味わった感覚でした。
異国のニュージーランドに16年。。 大変なこともあったと思います。 でもいろいろなことをひとつひとつ、乗り越えてきた人なんでしょう。 どんなことがあってもへこまない明るさ、強さ、ピュアーなエネルギー。
町へ着いた私たちは離れがたく、夕食をごいっしょすることに。。 聞けばYさんは、偶然スバルと同じ10歳の男の子のおかあさん。 それもスバルと同じ『星』の字が名前に入ってる! 彼もまた、あたたかな、すばらしい男の子でした! おかあさんを見て育っているのですね。
今日の1日は、いったいなんだったのでしょう。。。 あの時、警察に行かなければ会えなかったYさん。 ほんの少しの時間に、Yさんが私に伝えてくれたもの。。。 ここに、こうして心から仕事を一生懸命にやっている人を見せてくれたこと。
人とかかわる仕事を持っている私は、今日のYさんとの出会いから、人として とっても大切なものをいただきました。
Yさんは今日も元気にオークランドを飛び回っているのでしょう!
|