wakaP〜の好物三昧

2004年04月29日(木) 高松市 「讃岐うどん食べ歩き紀行」

初体験の味、と言うより食感は予想より遥かに柔らかくて繊細であった。
これってホントにサヌキなの〜!?更に地元バーのママは「細麺」がお奨めであると言う。「太くて硬い」と勝手に思っていた讃岐うどんのイメージはあっけなく一軒目で崩れ去ったのでした…。

単行本「恐るべき讃岐うどん」のヒットやセルフ方式店登場など東京に讃岐うどんブームが到来して以来、なんとか高松に行きたいと思っていた僕は、今年2月「超割」の広告にビビット反応!

超割で高松→高松にはドラムのカーニーがいるぞ→地元でジャズ演奏して→しかも讃岐うどんも食えるじゃん!!更に高松には仲の良い会社の同期Fも転勤中だし。0.5秒でイメージが頭を駆け巡った次の瞬間、僕は携帯を手にしていた。

地元のベーシストでも呼んで遊べればよいと話した僕に、カーニーの反応は「どうせやるなら、いつも東京でやっているベースのOも呼ぼうよ」。
「まさか来るかな」と思いつつ誘ってみれば「喜んで」の返事。あっと言う間にトランペッターH氏、ボーカルYさんも合流が決定した。
これも讃岐うどんの魔力かな!?笑。

ライブ前日の4/23(金)夕刻に高松入り。
空からみる高松は夕日を浴びる瀬戸内海の島々に囲まれて絵葉書の様に美しい。四国と言う場所も生まれて初めてなのだ。

まず初日は同期Fと会う。地元の居酒屋で夕食を頂きバーで二,三杯飲んでから、いよいよお初の本場讃岐うどん!お店は地元の繁華街ライオン通りで深夜2時までやっている有名店「こんぴらうどん」。デビュー戦という事で代表的メニューのざる(細麺)、生醤油(細麺)、湯ダメ(太麺)を注文。

細麺のざるは真っ白で艶やかな色合いがいかにも美味しそう。ツルっと口の中に入れた途端「おやっ!?」と思う。期待したコシの硬さではないのだ。しかし噛んでいるうちにモチモチとした感触がタダモノでない様相を伝えてくる。硬さでなくしなやかな強さ。「これが讃岐のコシなのか…」と思わず呟く。

続けて生醤油。細かく刻んだねぎと生姜を乗っけて上から醤油をかける。それだけ。でも美味い!そして湯ダメ。湯ダメとは冷水で一回締めた麺を暖かい汁で食する方法である。夜中、飲んだ後に食べるうどんとしてお腹との相性は良いと感じた。太麺であり暖かいのだが、一度冷水で締めているので冷たい細麺と同様のコシのしなやかさを保っているのだ。

翌日、遅れて入るメンバーをカーニーと友人A氏とお出迎え。A氏は某広告会社員で「恐るべき讃岐うどん」執筆陣とも関係深く、讃岐うどんブームを香川県・高松市の町興し運動として推進しているメンバーのひとり。そんな彼に、とっておきお奨めのうどん屋を案内してもらうのだ。ナンと言う幸せ!

まず一軒目。空港から市内へ入る道から側道に曲がり畑の真中を通っていく。そしてこんな所にうどん屋が・・・!?と思うような駐車場の端っこに、暖簾の掛かった掘建て小屋を発見。しかし看板も屋号も見えない。それもそのはず。このお店は「名もないうどん屋」の名前(!?)で数年前からマニア間では超有名なキワメ系(キワモノ系?…笑)なのだそうだ。

ここでは「カマタマ」の硬麺を注文。ビールを飲みながら待っていると程なく出来あがる。カマタマとは生卵の上に湯切りしたうどんをのせ、生醤油をかけたシンプルなうどん。これが死ぬほど美味い!!硬麺は太くてコシが強くモチモチとした歯ごたえは堪えられない。聞けば製法も柔麺とは別との事。今回のツアーで一番のお気に入りはここの硬麺であった。

食べ終わりホテルへ直行すると思ったらもう一軒行くと言う(!)。正に「うどんツアー」。次は「あたり矢」。この店も一般道からは決して判らない。普通のパチンコ屋の駐車場を入っていくとその奥にお店が佇んでいるのだ。
恐るべし!!

店内の張り紙に営業時間は10時30分から14時とある。でも時計を見たら15時過ぎだったので今日は少し遅くまでやっているようだ。お店の外には待合い用の椅子が並んでいて人気店で有る事が判るが、この時間はさすがにガラガラだ。

うどんは「ひやあつ」を注文。ひやあつとは、冷やしたうどんに熱い汁をかけて食するやり方。テーブルの上には、細かく刻んだネギの山とオロシガネに乗っかった生姜のかけら。自分で擦って入れるのだ。「名もないうどん屋」同様、飾り気ない事この上ない。(笑)

注文するとあっという間に出てきたので、予め茹で上げ冷やしてあったものと推測される。うどんのコシもやや弱く感じられ少しガッカリだが、生姜を落した汁は素晴らしく洗練された味に感じられた。その後、ホテル入りしてライブに突入。その夜は打ち上げするが、さすがに皆から「油っぽいモン食べたいね」との意向でうどんはなし。

最終日はカーニーが高松の代表的観光地、屋島にある「わらや」を案内してくれた。カーニーは屋島を見物してからうどんの順番だったようだが、メンバーはまずうどんが食いたいの大合唱。100人は入るであろうと思われる大きな民芸調のお店は観光客で満員。こういう一般的なお店もイイね。

ここではお店のお奨めで「釜あげ」中ジャンボ(三つの内、まん中のサイズ)を注文。ビールを飲みてんぷら盛り合わせに舌鼓を打ちながら待つ。幸せな瞬間!やがて直径30cm程度の丼に入った釜揚げうどんが登場。大とっくりから汁を器に移しネギと生姜を入れて食す。「あ〜、これが讃岐の王道だな・・・。」と思わず溜め息。

てんぷらもうどんもきれいに平らげ、今回の讃岐うどんツアーは無事終了。最後にAさんの言葉。「地元の人達は讃岐うどんの観光資源の価値に意外と気付いてないです。身の周りに当たり前のようにある、数多くの製麺所が讃岐うどんの個性と奥深さを際立たせている。実は今回行けなかったけど、高松市内より西部の方がもっと美味いんですよ・・・」との事。

また行かなくちゃね。カーニー!笑。

追記:ちなみに旅から帰った家のメニューは味噌鍋だったんで、お土産に買った「わらや」のうどんで締めました。まいう〜。


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