TOHGA嬢の生活



求められても与えられない

2004年06月17日(木)

 死者の国から手紙が届いた。

 短い文字の間から、地獄にいるような餓鬼や亡者の姿が見えた。

 怖い、気持ち悪い、忌まわしい

 そして、哀しい。


 手紙は真っ黒な沼へと変わり、中からなにかドロドロとしたものが私に向かって伸びてきた。

 私は差し伸べられたその腐臭漂う右手を恐る恐る蹴り飛ばし、じりじりと後ずさる。

 私の右手が少しムズムズしたが、あの暗い沼に引きずり込まれそうで厭だった。

 手が汚れそうで厭だった。


 亡者は沼に沈み、それから二度と顔を出さない。

 見えなければ見えないで、いつホラー映画の様に飛び出してくるんじゃないかと、怖くて仕方が無い。


 これで良いの? と、右手が問う

 私は小声で囁いた。

「駄目よ、あの人は死んでしまったもの」

 < あの時、ああしていれば…  …見る?  この時は知る術もなかった… >


TOHGA [はい、もしもし?] ここで逢ったが
人目!!