白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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2007年04月10日(火) 川の流れ

お腹に子を宿した時点でガッツリと「お母さんな気分」に突入する女性も多いようだが、私はどうやらそういうタイプではないみたいだ。

知人から「初めての子供だと気持ちも盛り上がるよね。赤ちゃんの洋服を見てキュンときたり、ついつい赤ちゃん用品を買いたくなったりする?」と聞かれても、まったくもって答えはNO。ちょろちょろと下調べをすることはあるけれど、ベビー用品は1つも買っていないくらいだ。

子供を授かったことを嬉しくない……って訳では断じてない。ただ「可愛いグッズ=可愛い赤ちゃん」という図式が成り立っていないだけで。今のところは、ものすごくテンションが低いのだけど、どちらかと言うと子供は好きだ。「子供を育てる」という未知の世界は楽しみで仕方ないけれど、グッズには全く心が動かない。思い起こせば結婚する時と少し似ている。ウェディングドレスや結婚式には情熱を全く見出せなくて、女の子らしいチームの同僚から「そんなものですかねぇ…」と物足りない顔をされた覚えがある。

しかしながら、ふと生まれてもいない子について思いを馳せる瞬間…ってのもあるのだ。今日は川沿いを歩いていて、ふとお腹の子のことを思った。

私が幼い頃に過ごした家は少し歩くと川があった。一級河川ではなくて、農業用水に毛が生えたような小さな川。当時はまだ自然が多く残っていて、食用蛙なんかも棲んでいた。「自分の手で食用蛙を捕まえる」というのを生涯の目標と決めたのに、捕まえられないまま大人になってしまった。食用蛙は川の深いところに棲息していてチビの私には到底捕まえることの出来ない高嶺の花だったのだ。

いまの家も少し歩いたところに小さな川がある。近くに町工場なんかがあるので決して綺麗な川ではないが、フナや鯉が多く、鷺の姿もしょっちゅう見かける。私の子供はこの川を見て育つのだなぁ……と思うと、ふと熱いものが込み上げてきた。もしかすると私の子供は私が幼い頃にしたように、この川の果てや川の始まる場所を探しに行くのかも知れない。そして川は海に繋がっているのではなく大きな川の支流だってことを知ってガッカリしたりするのかも知れない。

まだ生まれてもいない子だけれど、そんな暢気な想像をするのはちょっと楽しい。男の子でも、女の子でも、どっちでもかまわない。出来るだけ沢山、馬鹿なことをして大きくなって欲しいなぁ……と思う。

……と、そんな楽しい想像をしながら、実生活は「いっぱい・いっぱい」なのだけど、これもまた過ぎてしまえば良い思い出になるのだろうなぁ。さてと。そろそろPC落としてお風呂にでも入るかな……って事で、今日の日記はこれにてオシマイ。


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【同月同日の過去日記】
2005年04月10日(日) 飴色の玉葱
2003年04月10日(木) ツマラナイ話。
2002年04月10日(水) 愚弟退院。

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