白い木蓮の花の下で  

    〜逝くときは白い木蓮の花の下で〜

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引越し先 白い木蓮の花の下で


2001年12月15日(土) その名は「トトロ」

私の家の近所には「ミミズク」を飼っているお宅がある。

ミミズクは道の真ん中で難儀しているところを発見された。
どうやらペットとして飼われていたのを捨てられたか逃げたかしたらしい。
↑私の住んでいる地域は大阪でも田舎地方だが流石に野生のミミズクはいない。
猛禽類のわりには人懐っこくて「トトロ」なんて名前を付けられて
↑小屋に「トトロ」って表札がかかっている。
いまでは、すっかりご近所の人気者だ。

『ハリー・ポッターと賢者の石』には白いフクロウが登場したが
トトロは銀色のミミズクである。
ご主人様手製の「ミミズク小屋」で毎日首をグルングルン回して
ご機嫌に……かどうかはトトロに聞いてみないと分からないのだが
「捨てミミズク」「迷いミミズク」時代よりは幸せではなかろうかと推察される。

私は朝な夕なに「ミミズク小屋」の前を通る。
その道を選ばなくても通勤できるのだけれど
もう通らずにはいられないのだ。

ミミズクから愛される女になりたい
……そんな情熱が私をミミズク小屋へとかりたてるのだ。

だがトトロはなんと言っても猛禽類なので
お世辞にも愛想が良いとは言えない。
機嫌が良ければ「ほ」なんて声を出してくれたりするのだけれど
機嫌が悪い時は羽をバタバタさせて威嚇してきやがる。

私の中で…恐らく近所の子供達の中でも進行しているだろう
「トトロと仲良し」計画において
私は近所の子供達からは1歩も2歩もリードしていると思う。
子供達が活動する昼間、トトロはたいてい機嫌が悪いのだ。
「ほ」なんて言ってくれるのは「夜」しかも、遅い時間ほど確立が高い。
少しづつ顔を覚えてもらって、親交を深めていこう。
……そう思っていたのに、最近困った問題が出来てしまった。

強盗だ、放火だと、なにかと物騒な事件が多いからか
それとも「夜な夜なミミズクを覗きにくる女」を撃退するためか
トトロの御主人は
ミミズク小屋に面した道路に自動照明を付けてしまわれたのだ。
↑ミミズク小屋の横はガレージになっているので悪戯防止が真相なのだが。

防犯的にはいい感じだが「トトロと仲良し計画」を立てている私にとって
自動照明は、ちょっといただけない。
ミミズク小屋に近寄るまでもなく
道路を横切っただけで照明が付いてしまうのだ。
トトロに近づくどころか、トトロに悪いような気がして
違う道を通ろうか……などと思ってしまったりする。
こんな御時世なので自動照明も仕方がないことだとは思うのだけれど
ミミズクも生き難い世の中だなぁ……とか、なんとか思ってしまった。

照明に照らされたミミズク小屋の中で
トトロが不機嫌そうに羽をばたつかせているような気がして
ミミズク小屋を覗きに行くこともできず
「トトロと仲良し計画」は頓挫しようとしている。

ブツブツぼやいてみるものの「トトロと仲良し計画」なんてのも
私が勝手に思っていただけのことで
トトロにはなんの関係もない事なのだ。
当たり前のことだがミミズクはミミズクらしく生きるのが幸せなのだと思う。
トトロは「ミミズク小屋」以外に帰る場所のない飼いミミズクなので
今さら、どうしようもないのだけれど
不憫だなぁ…と思わずにはいられない。

ミミズクはミミズクらしく…がいい…と思う。


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