| 2004年09月15日(水) |
『華氏911』を観る |
前評判の高かったマイケル・ムーア監督の『華氏911』。 みたい、みたいと思いながらなかなかチャンスがなくやっと映画館へ。
アメリカ大統領選挙を前に、アンチ・ブッシュのプロパガンダ映画かと思わせるほどに痛烈なブッシュ批判。本人は別に民主党支持者ではないとのことだから、なかなかなドキュメンタリー映画です。
CDを聞きながらのアメリカ軍兵士の戦争、液晶画面に映る標的が生きた人間である事を忘れさせる軍事技術、背筋が寒くなりました。
ブッシュ発言のウソとホント、ブッシュ一族やホワイトハウスの石油と戦争にまつわる裏と表、サウジアラビアの親族とアルカイダ、アメリカ軍の建て前と本音、殺される側の家族と殺す側の家族、対比を通じて現実をシニカルに観客に問う映画手法は、単純そうでいて実は世界の構造的矛盾を鋭く突いてきます。
映画の最初、9・11報復戦争にアメリカ下院でただ1人反対したバーバラ・リー議員が登場します。2002年の1月と3月、2回にわたってオークランドの彼女の事務所を訪問した事を思い出しました。
それにしても9・11の航空機の突入場面を見せることなくあのテロの悲惨な状況を伝えるムーア監督の映画づくりのすごさに感服でした。
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