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2019年05月11日(土)
Yasei Collective × mouse on the keys『パラシュートセッション Vol.69』

Yasei Collective × mouse on the keys『パラシュートセッション Vol.69』@月見ル君想フ




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Yasei Collective:松下マサナオ(Ds)、中西道彦(Ba, Synth)、斎藤拓郎(Gt Voc, Syn)
Guest:タブゾンビ(Tp/SOIL&”PIMP”SESSIONS)、柳下”DAYO”武史(G/SPECIAL OTHERS)
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mouse on the keys:川昭(Drs)、清田敦(Key)、新留大介(Key)
Guest:セノオGEE(MC/ex. 灰汁)、根本潤(Sax/Power)、飛田雅弘(G)、佐々木大輔(Tp, F.Hr)
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Substage:沖メイ(ZA FEEDO)
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パラシュートセッションとは「フロアに二組のアーティストが対峙するようにセッティング、交互に一曲ずつ演奏をする」という月見ル君想フの名物企画。お互いのセットリストを知らないまま演奏する1st set、完全フリーセッションの2nd setと、どこに着地するか判らないってことで「パラシュート」なのかな。天井に本物のパラシュートを張るという美術も素敵。パラシュート幕を介したミラーボールの光がフロアに降る様子がとても綺麗。月面スクリーンといい、月見ルは場作りに拘りがあっていいなあ。



月見ルのブログから(画像をクリックするとオリジナル画像に飛びます)NEW PONTA BOX × Yasei Collective パラシュートセッションの様子を拝借。壮観! ちなみに月見ル店長のツイートによると、今回のライヴにポンタさん来てたみたいです。

フロアライヴなので、従来ステージとして使われるところも客席になる。一段高いところにずらりと椅子が並んでいる様子も面白い。予約番号順だろうと開場時間のちょっと前に着いたら、なんと来た順の入場とのことで乗り遅れ(しまった……)二階席から観ました。でもここの二階って、演奏を天井桟敷から観るような感覚で楽しいんだよね。Yasei側(とサブステの沖さん)は殆ど死角になってしまったんだけど、motkの演奏はガッツリ観ることが出来ました。セッティングは上記画像のとおりなんですが、飛田さんと佐々木さんの立ち位置どこなん…機材があるとこだろうけど狭すぎないか、ひとひとり立てるスペースがやっとあるくらいじゃないか、演奏しないときどうするんだろう……と思っていたら、おふたりは(従来の)ステージ縁にお座りに。近いにも程がある、一列目のお客さん緊張しそう(笑)。

ジャンケンにより先攻motk、後攻Yasei。motkは1st setの時点でゲストを皆出しちゃった(…いやまあ、楽曲構成上ね……)ので、曲によってはプレイヤーが3対7になることも。松下「そっち人数多過ぎ! 音デカ過ぎずるい!」川「やー、なんかわかんなくて沢山呼んじゃった」「音が大きいのはデフォなんで」松下「お客さんオレらが演奏したら『音ちっちゃ』って思ったよ!」と罵りあいが展開されました(笑顔で)。いやそんなことなかったですよ……どっちも地音がでけーでけー。それにしても川さんにここ迄ズバズバいうひと知らないんで、松下さん貴重だわー(笑)。2nd Setのときも「そっちがまとめちゃうからいうことなくなっちゃったじゃん、俺ら主催なのに」「motkレス川昭で対バンしたい」とかいうてて大笑いしました。川「松下さんのバスドラヘッドを見て)いいなー、ネコちゃん。僕も描いてもらおうかな」松下「いいでしょー、これ今日出演してるメイちゃんに描いてもらったの。描いてもらえば?」川「ま、今日のドラムセット僕のじゃなくて月見ルのなんだけどね」(場内爆笑)なんて微笑ましいひとときもありましたよ。

そんな両者なので(?)演奏もバチバチ。特に川さん、相手のアウトロに喰い気味で演奏を始めるシーザー(動物のお医者さん)っぷり全開。一曲目が「最後の晩餐」でしたし、こういう形式燃えるんでしょうねー。観てるこっちも燃えた燃えた、やんややんやの喝采です。自分たちが演奏してないときはハケずにそのまま相手の演奏を見ることになるんだけど、そういう「ただ観て聴いてる」ひとがステージ(フロアだけど)にいるってのも面白くて面白くて。私の席のほぼ真下がYaseiのセッティングだったので、彼らが演奏しているときはmotkの面々がこっちを向いている訳です。何もせず。ニヤニヤしてたり、腕組んで真剣に見てたり、無の顔で見てたり。お正月にこたつ入って皆でテレビ見てるみたいな図式でしたね……いいもの見た。

飛田さんがコンスタントに参加するようになり、佐々木さんがFlやChoを兼任するようになって、楽曲に新しい魅力が加わった。以前はホーンが入っている楽曲をプレイヤー不在で演奏することになったときは、そのパートに何も加わらないままだったり、Saxパートを佐々木さんがTpやF.Hrで演奏することもあった。今はホーンソロがあった箇所に飛田さんがノイズで切り込んで、そのまま残響をアウトロにすることも。「reflexion」が顕著ですが、このアレンジが劇的に素晴らしい。この日は、それ迄座奏していた飛田さんが(従来の)ステージ上にあるスピーカー横に駆け上がってフィードバックノイズを鳴らしたもんだからドッと歓声わきましたよね。これもズルいといわれてしまいそう(苦笑)、格好よかった! ネモジュンの演奏を久々に聴けたのもうれしかった。そしてセノオGEEさん! 川さん曰く「現在鍼灸師。僕もやってもらってめちゃくちゃ効きました、身体に不調のある方は是非」とのことで、久しぶりのライヴだったようです。爆音の演奏を縫うように通る強い声。個人的にはMCというより、ひとりで凛と立つ詩人のような印象を持ちました。キレ者。

スタートダッシュからオラオラのmotkを受け、パラシュートセッション最多出演の松下さん率いるYaseiの皆さんは流石におちついてらっしゃる。「ズルい」といいつつマイペース、しかし演奏はめちゃめちゃ好戦的。特にドラムね、そりゃそうですよね。三月にmotkのゲストとして観たときは「三人体制になって初のライヴ」で様子見だったところもありそうでしたが、この日はもう「最初っからトリオ編成だったんじゃないの」ってなこなれ具合。ゆったりしたBPMも、ヴォコーダーを介したメロディも、motkとは全く違う音像であり乍らハードコア味がすごい。共通点があるとすれば美メロと複雑なリズム、そしてちょうエモーショナルってとこか。相性めちゃよくねー?! なんで今迄交流なかったかなと思うくらいです。一触即発みもすごくて、なかよく対バンとか絶対出来なさそうなところもいいわ。リスナーは人間関係とか気にせず無責任に聴けるからいいね……。というわけでまたの機会がもう待ち遠しいですよ。

2nd setでタブくんとスペアザ柳下さんが登場、ようやくYasei側も人数増えた。といっても2ndは全員くんずほぐれつの「何も決めてません、ノンストップで完全フリー」だったのでもうチーム分けもありゃしません。40分くらいだったかな、めまぐるしく変わる先導者とソロイスト、一見休んでるように見えて次に出すフレーズやリズムを仕込んでいるひととどこ見りゃいいのと目がまわる。時折川さんが新留さんに指示出してましたね、Yasei側もそういうのあったのかな。お互いの企みがどう作用したか、それは薮の中。タブくんは序盤からバッキバキのソロを披露し、めっちゃ花形オーラ出てました。飛田さんが時折スマホをいじっていて「何やってんだ……アプリでも探してるのかな?」なんて思ってたんですが、〆はその飛田さんのスマホから飛び出した音声(「楽しかったね、また会おうね」みたいな文言)でした。ええ〜なんて粋なエンドマーク! このカードを出してくる飛田さんもすごいがそこでピタリと〆に持っていけるプレイヤー全員もすごい。皆さんニヤっとしてましたね。練りに練られたひとつの曲みたいなエンディング、二度と聴けないとはなんて貴重。ライヴ続きになっちゃうなとちょっと迷ってたけど行ってよかった、さあ明日は待ちに待ったAFTER HOURS!