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2010年05月18日(火)
『鉄男II BODY HAMMER』『玉虫』

『塚本晋也大図鑑「鉄男II BODY HAMMER」「玉虫」』@シアターN渋谷 シアター2

上映前にエリック・ボシックさんによる作品紹介付き。『塚本晋也大図鑑』初日に初めて素のエリックを見たんだけど、いやはやこのひとすごくいいキャラだわ〜。初日、盛り上がるといいなあ。なんかもーエリックを喜ばせたい!(笑)エリックの笑顔が見たいよ!そんなふうに思わせられてしまう好人物。

先代の鉄男たちを「僕の先祖」と言っていたエリック、喋る喋る。だんだん作品紹介と言うより、進行で出てきた川原伸一さんとの漫談みたいな状態に。エリック「TETSUOのDrill chincoがね!」(発音がよすぎて聴き取れない)川原さん「えっ?」エリック「Drill chinco!Drill chinco!」川原さん「あ、ああ!ドリルちんこね!」エリック「そう!Drillちんこー!」みたいな(爆笑)。『鉄男II BODY HAMMER』については、エリック「カワハラ、これ出てる!」川原さん「ああ、そうなんですよ。スキン軍団のひとりで…ぼんやりしている間に巻き込まれちゃって、ぼろぼろになっていって……。今の自分を暗示しているような役です(弱った笑顔)」なんて話してました。だ、大丈夫?『鉄男 THE BULLET MAN』公開初日も目の前、プロモーションやら何やらで激務続きなのでしょう。かなりおつかれのご様子。それなのに上映会場にまめに足を運んでくれて有難い…。『塚本晋也大図鑑』最終日の21日には、監督とエリックが来場して『「鉄男 THE BULLET MAN」プレトーク』が行われます。きっと川原さんも来る!是非観に行ってみてくださいな。

『鉄男II』から上映。14日付のとこに書いたゲリラ撮影のシーン、監督が「店員さんが本当の誘拐かと思って追っかけてくれて、カメラ追い抜いちゃう勢いで」と話していたのですが、注意して観てみると、トモロヲさんが「こども、こどもを」と言ってるのを聞いたWAVEの店員さんがスキンを追っていくのが一瞬映ってる(笑)。ごめいわくをおかけしました…WAVEいい店!なくなっちゃったけど!(泣)他にもゲリラで撮ったんだろうなあってシーン沢山あるよ…(黙)。ここらへん、『塚本晋也読本 SUPER REMIX VERSION』のトモロヲさんのインタヴューでいろいろ語られてて面白いです。これ、『塚本晋也読本 ―普通サイズの巨人』の増補版なんだけどやはり買ってしまった。思うツボです。いやでもその増補部分が濃いーしインタヴューもかなり追加されているのでいいのだ。

『鉄男TBM』はリメイクではなく新作だそうだけど、『鉄男II』を観ていると二重に面白いと思えるのでは。予告編観てるとそんな感じがするー。ちなみに『鉄男TBM』予告編のナレーションってエンケンさんですよね。

『玉虫』は唯一スクリーンでの上映を逃していた塚本作品だったので、今回観られて嬉しかった。『female【フィーメイル】』の中の一本。『Jam Films』シリーズで、5人の女性作家が書き下ろした原作を5人の監督が撮ったコンピレーション映画です。『玉虫』は小池真理子さん原作、22分の短編。一作品につきフィルム一巻分の長さと言うのがルールだったそう。塚本監督がFinal Cut Proでノンリニア編集、完パケ迄手掛けた初めての作品だそうです。

女を美しく撮るのに定評がある塚本監督ですが、いやもうホントそーだよね。キレイに撮るってのとはまた違って、生命力を撮る感じ。石田えりさんの美しさ、妖艶さ、年齢を重ねたことによる身体と表情の深み。魅力が溢れています。ピンクのふわふわのチュチュを着て「渚のシンドバッド」を振り付きで唄うその姿のかわいらしいことと言ったら!そしてここ大事、しっかりエロい!

そして加瀬亮くんもものっそ美しく撮られていた…影によって顔の造形を浮かび上がらせる感じ。いやあ、これはすごくいい……。このひとにしては珍しい役柄です。もうすぐ公開の『アウトレイジ』でも似た職業の役をやっているようですが、『玉虫』の中では「何をやっている仕事」と言うのは明確に話されません。ふたつのシーンから想像するしかない。で、その旅館でのシーンと、女の家に初めて来たときのギャップがすごい。大楽源太さん(!)を撃つ寸前(足で押さえられてジリジリジリの数秒間)の表情も滅多に見られないものでした。小林薫さんも相変わらずの色気ジジイっぷり、絶妙のキャスティング。

塚本監督の撮るセックスシーンって、それは格闘技ですか?てな感じのものが多いのですが(笑)『玉虫』のそれは、映像以外のエロが仕込んであってうわっとなりました。音がエロい。どうエロいかは説明しづらい…あー、この音があったかー!てなもんで。そんなにエロ映画詳しくないんですが(笑・いやホントに)、この音の使い方は私は初めて聴きました。いやあ、すごい…こういう使い方があったか……感心もしてしまったよ。和室じゃないとダメ、畳じゃないとダメ。あの音は。

一枚層を加えて見るものにエロを感じさせると言うのもお得意ですよね。写真、TV映像、ガラス窓の向こう側。22分の作品に塚本汁が凝縮されています。濃い。