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2009年11月14日(土)
『おとことお酒』と俊太郎

シモキタハシゴ。

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山の手事情社『山の手・女祭り・男祭り「おとことお酒」』@小劇場 楽園

うーん、現在サバランごときで酔っぱらっているので、今度はちゃんと書くとか言っとき乍ら結局ろくな感想が書けそうにない。と言う訳で今回はおとこ編。チェ・ゲバラと、石川五右衛門と、項羽の酒飲み話です。

おんな編は三分の二が架空の人物でしたが、こちらは全員が実在の人物。そして大きい違いだなと思ったのは、おとこ編の演じる人物には、演者のあこがれ=こういう人物にあこがれる、こういう人物の人生を送ってみたい、実際には体験出来ないので演じたい、と言う思いがあり、おんな編の演じる人物には、演者の共感=こういう人物にはなれない、なってしまってはいけない、しかし彼女たちの思いの強さには狂おしい程に共感する、だから演じてみたい、と言う思いがあったように思いました。

おとこ編は安田さんと水寄さんの共同演出(山の手は出演者も構成・演出に参加するので、浦さん、川村さん、岩淵さんも演出です)。水寄さんのごあいさつによると「男達の世界を、男性は男性目線で、女性は別の生き物を見る目線で、どうぞご堪能下さい」とありました。やーもうねえ、もともとひと同士は絶対に解り合えないもんですが、やっぱそれだけでない生態としての解らなさ加減と言うか、なんだろなーその思考回路はそういういきものだから、と言うことで納得するしかなかろうもん、とある意味諦めるしかないもんですね。と言う結論です。実際おんな編は「うわーこれおとこのひとが見たらどう思うんだろうな、あんま見せたくない(笑)しかしあるあるある!好きじゃない部分も含めて認めざるを得ない!」って感じだったんだけど、おとこ編は「面白いいきもの…」って感じで観ましたわ(笑)。いちばんぶんぶん頷いたのは、女優ゲスト(この日は洪明花さん。ダブルキャストは内田慈さん)が男性について語るシーンでしたからね。

とは言うものの、やっぱり違う生き物として尊敬もするし憧れもするのです。おんな編を観たおとこのひとたちはどう思ったかな。

と言う訳で山の手は25周年なんですが、安田さんによると「創立20周年のときには(中略)大騒ぎしたのに、今年はやらないのか。やりません。」だそうです(笑)。創立25周年、そして山の手メソッドである“四畳半”は10周年。山の手にしかない手法で、道なき道を切り開き、新たな作風に挑んでいる。そして「どうしたら台本を使わずに面白い芝居が作れるのか」を追求し続けるうちに、「ほとんどぜんぶ」を「俳優たちが考えた」作品が出来た。演出(=安田さん)は俳優たちに「もっと考えるんだよ」とふてていた。25年やってみなければ、25年やってきたからこその身体性、文学性、即興力、構築力。絶対に他では観られません。これからもアヴァンギャルドでポップ、筋力のある哲学が観られるのが楽しみです。おめでとうございます!

早大劇研OB会から酒が届いていたのが微笑ましかった。

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ライヴ迄時間があったので、ごはん食べたりパン買ったりねこカフェの窓辺にへばりついてねこを見たりオオゼキで野菜見たりとうろうろ。普段ライヴハウスには開演ギリギリに入るところ今日は15分も前に着いたよ!もうほんっと今日楽しみだったんだよね!とニヤニヤ地下に降りるとやけにひとがいない。そして何故かもう演奏が聴こえている。ええ、前座あったんだっけ?でも…これ……「Time」じゃん!しかも恭一と俊太郎の声じゃん!

開演時間を一時間間違えた……(呆然)

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『'09←'94 高畠俊太郎 debut 15th anniversary live』@shimokitazawa GARDEN

そんな訳で、二部構成のうち一部は3曲しか聴けまへんでした。今年こんなんばっかりだ…自分が信用出来ない!ホントどうなの、これ……(泣)どうやら一部が俊太郎のソロ、ゲストとのデュオだったよう。ゲストは恭一とさわおくんだったので、さわおくんをまるっと見逃したことになります。俊太郎用のエレピとかも置いてあったので、弾き語りも見逃した訳ですよ…もうばかじゃないの。と自分で自分に絶句しましたが、もう仕方がない…今年はこういう年なんだと思うしかない……ここでしょんぼりしてると大事なことをますます見逃してしまうと思い気をとりなおしてステージ凝視しましたよ。うえーん。

それにしても俊太郎と恭一の「Time」はよかったなあ。トリビュートで恭一がカヴァーしてたけど、それすっごいよかったんだよね。今回は本人が一緒にやってる訳ですよ、しかもハモりの下が俊太郎なの!うぎゃーなんて贅沢!最高やん!自分にガッカリしてる暇はねえぞ!で、その後恭一の「花火」を俊太郎が唄ってこれがまたよくて。本人も言ってたけど、俊太郎のことじゃないのって歌詞でした。ほんと、俊太郎は花火みたいだよねえ。

転換挟んで第二部、最前にするっと入れた。わーい、見晴らし良好。まずはトモくんと俊太郎で「Holiday」、三木くんが入ってえーとなんだっけ「Summer Rider」だったか?(確認中)、ウオズミくんが加わって4人(曲途中でコーダイくんも入り)で「seeing」。うひー渡り歩いてきた3つのバンドの曲がいっぺんに聴けるで!ポインター時代の「seeing」、あのフレーズは全部ギターでやってたけど今回はウオズミくんがボックスから出している。アレンジは生まれ変わり、しかしキラ星の曲たちは今でも瑞々しい。ウルトラポップ時代からなので、トモも15周年だよねーと笑ったり、ミキとのニヤニヤはずっと継続しているし…とニヤニヤしたり、ウオズミとはオートパイロットで。とか。で、ウオズミくんがハケてロケンローバンドのセットになって一曲目が「マリコ」!!!ぎゃー!!!その後はノンストップでたてつづけにあれもこれもでもうなんてえの、こっちもこの15年間がぐるぐる頭を巡り、バンドのことだけでなく、その時会って今でもつきあいのある友人のことや、田舎に帰っちゃったあの子や、もう会うこともないだろうあの子のこととかがぶわーと思い出され、素面で瞳孔が開きそうでした。いろいろあった…あり過ぎた……。楽しかったことも悲しかったこともたくさん、たくさんあった。俊太郎の曲は、曲だけはずっと傍にあったし、聴き続けた。今もこうして聴き続けられていることに深く深く感謝した。何度お礼を言ってもたりないくらい、沢山のものをもらった。今でももらってる。

やーそれにしてもこのひとは、いくつになってもくまとかミッキーマウスとか、ファンシーなキャラクターTシャツが似合うね。人魚の肉を喰ったんかと思う程に変わりませんね。そのアンチエイジング術をご伝授ください…。

アンコールに白いシャツ姿で出てきた俊太郎、わーウルトラポップ時代みたい。と思ったらなんと城くんと岩崎さんが出てきてウルトラポップ再結成。帰ってチケット見たらその旨書いてあった…全然気付いてなかったから驚いたのなんの(そんなだから開演時間も間違えるんですな)。でもフロアはかなりざわめいて悲鳴もあがっていたので、知らなかったひとも結構いたんじゃないかな。

岩崎さんはウルトラポップ以降、城くんはポインター以降動向を知らなかったので嬉しかった…。なんでも俊太郎は城くんとずっと会ってなくて、連絡先も知らなかったんだけど、今回また一緒にやりたいなと思って方々調べて行方を探し当てて、でも照れちゃって何から話せばいいかわかんなくなっちゃったから、酒呑んでしこたま酔っぱらった勢いで電話したそう(笑)。そしたら快諾してくれて、春からちょこちょこ集まってリハとかしてたそうです。うわー……。しかも演奏したのが「No More Watergate」。インディー盤『POP ULTRA』にしか収録されていない曲です。そして「Let Bygones Be Bygones」。こちらは解散後インディーからリリースされたライヴ盤『After Games』に収録されている曲。「次の曲がり角を曲がれば 見えるかも知れない でも きっとだめだ」。

ウルトラポップにしてもポインターにしても、おいおいってな解散…と言うか空中分解の仕方だったので…あったらいいなと思いつつ、ないだろうなと諦めてもいたんだ。はー、やっぱさあ生きてれば再結成も出来るんだよ!全員が元気で生きていれば。俊太郎以外皆何割か増量、って感じだったけど、そうやってまた会えることってとても幸せなことだ。なんだか胸がいっぱいになりました。

フロアは満杯。本人も最初はフロアに椅子やテーブルを出して、酒でも呑み乍らのんびり聴いてもらおうと思ってたそうです。が、当日どうやら椅子出せる程スペースないらしいぞ…と慌てたとか。こんなにいるんだから普段も来てよ(笑)、これからも続いていくし、いつでも唄っているからと言っていました。

そうだな、このひとはいつも自分のほんとうを唄っている。終盤声が嗄れて、最後の曲では「もう声出ないけど」なんて言っていたのに、不思議なことに唄い出したら声が出た。そういううたうたいなんだ。

俊太郎のブログにセットリストがきっとあがるので、あとで見に行こう。ほんとうにほんとうに有難う。いつでも思い出せる、心においておけるうたをたくさん、有難う。

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■で、今いちばん気がかりなのは
一部で上田現のカヴァーやってたらどうしようと言うことだ…(泣)

■それにしても
恭一と岩崎さん(高校の先輩)には常に敬語の俊太郎にウケた。ウルトラポップって、DBの末っ子って感じだったからね

■で、まあ
いろいろと動転していた+初めて来たハコで間取りが判らなかったので物販を探し当てられず、本(オートパイロット時代の俊太郎日記が書籍化されたんだよ!)を買えなかった…ホント最近こんなんばっかり

■そうだよ
この俊太郎日記って、彼がバイクで事故った後だったんだよね…近況が読める場としてすごく安心したものでした。あぶなっかしいことばっかりやってるからね。元気でいたり、落ち込んでいたり、このひとの日常が窺い知れたのはすごく嬉しかったんだ。はー、これからどこかで販売するかなあ。在庫まだあるかなあ(泣)