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2009年11月03日(火)
『バンデラスと憂鬱な珈琲』と二子玉川

『バンデラスと憂鬱な珈琲』@世田谷パブリックシアター

達者なキャストを揃えて、80分のスカッとしたコメディ。贅沢だー。マギーの脚本・演出ものを舞台で観るのは初めて…かな?そういや90年代半ば頃迄の小劇場ってこういうの結構あったなあ、と言う懐かしさもこみあげました。それをこのキャストで、SePTで観られるのも贅沢だよなあ。

登場人物がアメリカ人やロシア人で、翻訳ものではないのにそれを東洋人が大真面目に演じるばかばかしさや、ばかばかしいのに観ているうちにそんなことは気にならないくらいに引き込まれてしまうハラハラドキドキした楽しさや、演者は7人なのに登場人物は約50人(笑)、劇中劇もあるややこしさ。当時で言えば劇団の人数が足りないからこその策って面があったのでしょうが、物理的には登場人物分の役者を揃えられるプロデュース公演でそれを敢えてやってる面白さもありました。それが懐古主義にならず、めまぐるしく変わる登場人物同士の関係性や、十数分毎に変わるシーンとともに役柄もテンポ良く切り替えて演じる役者の力量も堪能出来ると言う、バージョンアップされた印象も持ちました。伏線を最後の10秒で回収する(しかも手法がまたアホなんだ)爽快さもよかったです。

堤さんは昨年『舞台は夢』でもコメディ舞台に出演していましたが、バリバリどシリアスなドスのきいたモノローグがとても格好いい彼が、それを同じように聞かせてしかもそれが笑えるってのがなかなか興味深い。身体も切れますしね。NODA・MAPの主役を堤さんと唐沢さんで交互に演じる時期があったので、バラエティ等では傍若無人な振る舞いを見せつつ最近はハードなドラマ出演が続いている唐沢さんとの対比が面白かったりします。

あ、その流れで、劇中劇で堤さんがマクベスを演じたのにニヤニヤしちゃった。堤さんって過去『マクベス』には二回出演していますが、T.P.T.ではマクダフだったよね(その前のジャイルス・ブロック演出版では端役だった)。いつか劇中劇でない『マクベス』で、タイトルロールを演じる堤さんを観てみたいなあ。

段田さんや、カッツミーに由美子さんのダブル高橋、蝉之介さんは勿論安心して観られましたが、あの面子に混ざって中村倫也くんや小池栄子さんも堂々としたものでした。劇中小池さんがある振付について「皆と一緒に出来るようもっとがんばりますから!」と言う台詞があるんだけど、舞台で観る小池さんはいつも振り切れてていいですよね。それを敢えて「まだまだ舞台は勉強中です☆」的な位置に置いてる辺り、何げに厳しい…。

ちなみにタイトルにも出て来る珈琲はあまり重要ではありませんでした、ははは。豆知識は得られた。バンデラス、任務を終えてゆっくり珈琲飲めるといいね!

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■ここ1年でおぼえた遊び
休日にSePTでソワレを観る時は、昼から出かけて田園都市線に乗り、三茶ではなく二子玉川迄行く。主にジェーズアディクションならぬJA(農協。ファーマーズマーケットと言う小洒落た名前になっている)の上でやってるカフェでおひる食べて、JAで野菜買って(安いんだこれが)、その後駅前の高島屋を延々うろうろすると言うコース

■で、そのJAの上にある
ゆっくりとカフェ(世田谷ものづくり学校にもある)、世田谷でとれた野菜をふんだんに使ったごはんがおいしいんですが、副菜もいちいちうまいんだこれが。で、味付けに何使ってるかが判らないんだ。と言うか3つのうち2つは判るんだけど、残り1つが判らなくて、その残り1つがおいしさを決定付けてる気がするんだ!と言う感じ。あああ気になると思っていたら、レシピ本が出ていました。
・『野菜の献立 ―ゆっくりとカフェの“魔法のレシピ”』若色麻子
これから読むんだが、果たして同じ味がウチで再現出来るか

■で、高島屋
ひろ〜い。いつも道に迷う。しかし都心よりひとが少ないので見やすい。見るだけで楽しい(いや時々はかいものもする…)。都心で売り切れてるものがあったりする

■それにしても
ホントSePT行く機会増えたなあ。反面新宿で芝居を観る機会が減っている