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2009年03月29日(日)
『転校生』

F/T09 春『転校生』@東京芸術劇場 中ホール

2007年上演版の感想はこちら(1、5、31日)

出演者の肉体(顔立ちが大人になったなーと思った子が結構いたなあ)や佇まいが一昨年とは違っているのは至極当然のことなので別として、具体的に違っていたところ等をメモ。

・キャパ、850。静岡の劇場の倍以上もある。ステージのサイズも大きい。バトンも長い。黒子(バトンが上がった後、若干椅子を並べ変えるために3人程出てきた)がいた…あれ、2007年もいたっけ?どうだったっけ…舞台上に女子高生たち以外のひとが入ってきたことにちょっと狼狽した
・出演者は多分全員一緒。プログラムに出演者の所属する学校名も記載されていましたが、ふたり卒業生がいました
・音の返りがよく、ラストの跳躍音の響きがとても心地よかった
・台詞も、声を張っていなくてもよく通る
・ウケる場面が多かったのが面白かったな
・途中の暗転が印象的
・ガザ紛争についての会話が若干追加されてたかな
・ラストの台詞ってあんなに具体的だったっけ…転校生に対しての「死」って言葉は出てきてたっけ?
・最後の名前が出る映像、生年月日の記載はこないだはなかったよな…?

…自分の記憶力のなさに呆れ果てた。

と言う訳で、自分の心情的に違っていることを具体的なものとして脳がすり替えているかも知れません。間違いあったらご指摘くださいなー。以下上にあげたことについて考えたことなど。

このキャパであんだけ観客の集中力が持続するってのがすごいなあと思った…それだけ舞台上で起こることから目を離せない、注意を逸らせない状態が1時間50分続いたんですよね。ひとりが飛び降りた後の沈黙が途切れなかった。通路を頻繁に使う演出で、客席があまり暗くない状態が続くので、気が散りそうな環境ではあるんですよね。しかしそんな影響を心配することは全くなかった。

他の公演でもそうと言えばそうだけど、観客は全く同じ目的でここにいる訳ではない。飴屋さんのつくるものに興味があるひと、平田さんの戯曲がどう上演されるか観に来たひと、フェスティヴァル中の1本として観るひと、出演者の親御さんや友達など関係者。劇中出てくるように、「How」に共通点はあっても、「Why」はひとそれぞれ。そして「Why」は、なかなか解決しない。

転校生は70歳を越えている。2007年版を観た時、彼女は他の女子高生より“死に近い”と言う印象を持った。今回最後の台詞でそれをズバッと言い切ったことに驚いた。「岡本さんはきっと私より先に死ぬ。岡本さんの死に顔を見るのは私かも知れないと思った」と言うような台詞だ。

その前に、「ひとはひとを絶対に理解し得ない」、でも「自分は自分の寝顔を知らない(見られない)けれど、他人の寝顔は知って(見ることが出来)る」と言うような会話がある。それはちょっとした救いのようなシーンになっていた。お互いを理解し得ない、私はあなたのことは解らないし、他人から自分を理解してもらえることは絶対にない。教室にいた女子高生たちは、その時一瞬絶望する。表情には軽い困惑と落胆が見える。ところがひとりの発した寝顔に関する台詞が、教室をちょっとした暖かい空気で満たす。

あなたは私を理解出来ない。私もあなたのことは解らない。でも、あなたの知らないあなたの寝顔を、私は見ている。知っている。あなたは自分が死んだ後の自分を見ることは出来ないけれど、私はそれを見ることが出来る。

お互いを理解し得ないことに、こんな希望がある。特に印象に残ったのはここでした。また新しい発見があった。ああ、やっぱり観に来てよかった。見せてもらえて嬉しかった。

カーテンコールで、上手側の女子高生たちが客席に目を泳がせて不安そうな顔をしている。ああ、きっと飴屋さんを探しているんだな。しかし飴屋さんは間に合わず(笑)、女子高生たちは袖にひっこんでしまった。飴屋さんが客席から舞台にあがり、皆を迎え入れる。いいカーテンコールだった。

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■ポストパフォーマンストーク
28日にあったようです。
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飴屋:その日の演出が本当に全て決まるのは、本番30分前。サッカーの監督に似てるかもしれないですね。今日の感じならこうするかなーとか。
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飴屋さんの演出法のどこが、何がすごいとかは正直よく解らないけど(すごい、と言うことは解る)、飴屋さんが何かをやると、何をやるのか予備知識がなくても観ようと思う。
それは、こういうとこが信用出来るからかも知れないな

■終演後
噂の(笑)伊藤キムプロデュースのおやじカフェをちょっと覗く。閉店30分前で満席だったので入れなかったけど(おや汁(笑)食べたかったー)おやじたちのショウはチラ見出来ました。キャーステキー。ゴールドシアターのひともいたよ

■そして
何故か二日連続でトモロヲさんと八反田リコさんの話題になる(笑)