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2008年07月05日(土)
『イースタン・プロミス』、『デュエット』初日

いやーウェルメイドなハシゴだった。しかもお互いの劇場、歩いて1分の距離なんだー。内容的には振り幅広過ぎた。20分で切り替えるのは大変だった(笑)

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『イースタン・プロミス』@シャンテ・シネ 1

おーっすごくよかった!そしてウェルメイドだった!切れ味鋭い上質な短編小説の読後感に通じるものがありました。展開もテンポいい。100分って長さもいい。無駄がない。

話運びもカーティス・ハンソンかと思う程のテンポの良さですが、話に没頭し出すと「はあーい、クローネンバーグでえす」な描写が出てくるところがまた面白かったです。ぎゃふーんえぐいえぐい。R-18ですよー。でもこれでR-18?と思ってしまう自分もいたりした。教育上よくないって部分はなかったように思えますがどうでしょうかね。むしろ思いやりを知らない若者には見せた方がいいんじゃないでしょかね。

そんな訳で(?)THE任侠な世界のお話ですが、その間にさりげなく入る「居場所がないひと」のエピソードがとても印象に残りました。アホの子キリルにしてもそう、チェルシーサポーターのド真ん中で「アーセナル!」とか叫んじゃう(ちょ、それ自殺行為)床屋のアホの甥っ子もそう。キリルはアホの子だけどあの世界に住んでなければそれなりに幸せに暮らせそうな子なのよね。床屋のアホの甥っ子も。ニコライもアンナもワケありで、「今いる場所に馴染めないひと」だ。それがほんのちょっと変化するラストも、切ない乍らもちょっと救いのあるものでした。すごーい切ないけどなあ。

出演者皆よかったなー!俺が俺がなひとは誰もいないんだけど、皆しっかりと存在感がある。アンナの伯父さんもお母さんも。風船を膨らませるキリルと楽しそうに話していたファミリーの女の子も。そんでキリルの父ちゃんがまたいいツラ構えで腹が立つのよ(笑)善人の振りしてあんた最低だー!しかしそこも「親切なロシアンレストランオーナー」「人身売買あたりまえっしょーなマフィアのボス」と言ったステレオタイプなものではないのです。その複雑な表情。ここらへんがもーすっごいいや〜で後味悪いのー。絶妙だったなあ。

こういう要素がきっちり入っているのに冗長にならず100分、うーん、やはりすごい。ウェルメイドと言わずしてなんと言おうぞ。鮮やかです。

それにしてもニコライは格好よかった。ありゃーキリルでなくてもめろめろになるであろうよ。極端な話これってキリルとアンナがニコライを取り合う話だよな!(違います)映画館を出た後ニコライの煙草の消し方を真似して火傷する男子が続出しそうです。

クロさん次回はヴィゴとファインズさんがサウナで全裸でキャットファイトとかそういうの撮ればいいんじゃない(キャットファイト…?)。微妙に身体付きも似ているような気もしましたこのふたり。筋肉つくところはついて、緩んでるところは緩んで脂載ってるって感じが。ファインズさんは脱ぐの大好きですから丁度いいじゃない。何が丁度いいのか。

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『デュエット』@シアタークリエ

う〜ん、ウエル・メイド!(真似してみた)

初日なのでなるべくネタバレなしで。情報としては、上演時間は劇場掲示では1幕75分、休憩20分、2幕60分。実際には5分程短縮されていました。カーテンコールで1曲リピート。

初演が1979年と知ってビックリ、むちゃ今な話だった。すごいなニール・サイモン!そしてこれが全くの初見なので、上演台本、構成、演出がどこ迄原作本来の要素なのか興味の湧く部分が沢山ありました。ボーイズ、ガールズの実体化、場面転換のアイディア等。面白く観れます。

上記のことプラス、翻訳家(実際の翻訳は小田島雄志氏、岩谷時子氏のおふたりです。言語とは別の、解釈の提示手法としての翻訳)スズカツさんの仕事としてもとても興味深いものでした。『THE LAST 5 YEARS』と構造が似ているストーリー、分析型と直情型。ボーイズ、ガールズはシゾイド型に関係してきますね。そしてちょっとこれ、松尾スズキさんや本谷有希子さんが“翻訳”したらどうなるだろうなと興味も湧きました。病理からの解釈も可能なものだと思いました。

個人的なこととしては

・知人のカップルにそっくり(性格は男女逆)でハラハラした…いろいろと……
・お互いの話を別々に聞いてるもんだから、それが現場ではこうなるのかねと思って面白くもあった(鬼)
・そしてアメリカ人は(お国柄でくくるか)いろいろ順番が間違ってるような気もした(笑)
・3列目上手寄りも上手寄り、スピーカー真ん前だったので音のバランスがいまいち。ヴォーカルパートが聴き取りづらい部分も

シアタークリエ、やっと行くことが出来ました。観やすいです。ロビーがちょっと狭い。しかし日比谷シャンテに直結していて、休憩時間中行き来出来るのは便利です。トイレの動線、ドアの工夫には感心した。赤坂ACTシアターは見習うといい(笑)

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■『冬の絵空』詳細出てきましたよ
ちょ、ギリジン!まこつさん!あっダブルまことだ、そしてだてちん!
そしてぴーとさんの言う通りキューブだらけです。
あっそうかスズカツさんだから上演台本書くんだよな