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2008年01月26日(土)
『スウィーニー・トッド』

『スウィーニー・トッド』@新宿ミラノ1

なんでこれミュージカルなんだろう〜と疑問に思うものの楽しく観ましたよ。ソンドハイムの楽曲もよかったし、出演者の皆さんの歌も素敵でした。

が、なんでこれミュージカルなの…(復唱)と一度ひっかかるとそこがもー気になって気になって。いや、もとがブロードウェイミュージカルってのは知っています。しかし…『ミス・サイゴン』がなんでミュージカルなんだろう〜と言うのと同じ印象かなあ。ミュージカルになったことでいろんなことがおいてけぼりになってた感じもした。ストーリーに深みが感じられないと言うか…まあそこがみどころではないんだろうか、こういう場合。スウィーニー・トッド伝説は有名なものなので、そんなに深読みする必要はないと言うことかな。

あー、でもすごーい悲しい話だったなあ。

まあいいや(投げた)以下ネタバレあります。

かなり正統派ゴシックホラーだったのではないかと。血もどばどば出ますぜー。トッドさんがもういいや誰でも殺しちゃえーとなった後は、エグい殺人シーンがちゃっちゃかちゃっちゃかテンポ良く進みます。ロンドンのくら〜いトーンの色調も魅力的。登場人物の歯並びがいや〜な感じとか、そういう拘りも細かく細かく。

勿論バートン作品なので、お茶目なところも沢山あります。あのくまメイクでピクニックか!海辺か!パーティか!トッド上の空だ!ここらへんはもう笑えて笑えてブルブルですよ!トッドさんが自分で殺人椅子作ってるとこも笑えたよ…器用だな。あとアンソニー(アホのコ)役のコがすごいミラ・ジョヴォヴィッチに似ててしかもいっつも口ぽかーんと開けてるからますますアホのコ度アップ!ボコボコにされてもおんなじ歌を繰り返す!おいおまえかわいいなあと愛着すらわきました。

ブロードウェイ版を観てないんだけど、幕切れも全く同じなのかな?アンソニーとジョアナはどうなったんだろう。このふたりは幸せになればいいなと切に思いました。しかしそこを描かないところが不穏と言えば不穏なんだよ…果たして30分で馬車は来たんだろうか?アンソニーは無事帰って来れたんだろうか?そこがぼかしてあるとこも後味わるいー。あとトビーが気の毒だった…いろいろと。いい子なのに里親に恵まれないのう。

と言えば、自分の娘と会えたのにそうと気付かなかったトッドは可哀相だったな。妻のことは気付いたけど、娘のことはわからないままだったみたいだからなあ。

ジョニーとヘレナはもうヴィジュアルがとにかく素晴らしくて!も〜あのメイクが似合うのなんの。歌もよかったー。ジョニーは時々すんごい切ない表情をするのですよ…トッドさんすごい理不尽な人生だったもんなあ。あ〜理不尽だ!酷い話だ!

余談だがアラン・リックマンは声もなんかトレント・レズナーに似てるなーと思った。ぼそぼそ喋る時限定。歌声はそんなに似てなかったな。楽曲はアランとジョニーがふたりで唄うパートがことごとく格好よかった。声の相性がいい感じがした。

もひとつ余談だがミセスラベットの最後…焼けてますよ〜の過程を何度も見せるとこにバートンのお茶目な悪趣味を見た(笑)焼けてるの自分の嫁さん!嫁さん!