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2007年11月10日(土)
『六本木クロッシング2007』+『鳥獣戯画がやってきた!』前期

『六本木クロッシング2007:未来への脈動』展@森美術館

3年毎の六本木クロッシング、第二回。今回は4名のキュレーターが36作家を紹介、テーマは「Future Beats in Japanese Contemporary Art(未来への脈動)」。

チェルフィッチュがあったのにビックリした!演劇ユニットですよ。映像での参加ではありましたが、12/13に特別公演(2004年作品の『三月の5日間』)が行われます。うっわこれどうすんだろう、気になるよ〜行けるかな〜。他にも期間中さまざまなイヴェントが行われるとのこと。うぬーリピート出来るかな。

絵画、オブジェクト、映像、インスタレーションと手法は多岐にわたりますが、こういう企画展になるとどうしてもオモロ作品に注意が向きがち。地上53階迄搬入するかこんなもんを!と言うバカ度も実はバカに出来ません(笑)そういう面では田中偉一郎さんがダントツに面白かった。田中さんのセクションは常に笑い声と、ニヤニヤ笑いのひとで溢れていました。あっそれ実は気になってたけどひとにはなかなか話せないと思ってた!と言うモチーフへの着眼力、発想の転換をまざまざと見せつけられるフットワークの軽さ、それを形にする腕っぷし。いや〜最高でした。『ハト命名』とかたまらんかった。あーでもこれ、タケイグッドマンのソウルセットのクリップ思い出した(笑)かもがビッケ、トシミ、ヒロシくんになってるやつ。

体験型の『計算の森』が面白かったな〜。これクレジット見なくてもすぐ判ったよ、佐藤雅彦さんと桐山孝司さんの作品。数字の書かれたプレートを首に提げて、「×7」「+10」等の計算式のゲートをくぐり、合計数が示された数字になる迄エリアから出られないもの(笑)。盛況で入れなかったよー!やってみたかった!宇川直宏さんのハリケーンカトリーナの風圧(雨も降るのか…?)を体験出来るシェルターも面白そうだった…1日1回(土日祝は2回)、3人×7セットしか体験出来ないんだったかな。伊藤ガビンさんの達成感の全くないシューティングゲームは虚しい虚しい。意地になってしばらくやってましたが、賽の河原で石を積む気分でしたよ。あれクリア画面あるのかな。

絵画では吉村芳生さんの自画像365点(1日1枚、毎日1年間描いたもの)と新聞の精密模写がすごかったー。ちょっと恐怖感すらありましたこれ。ひとりでずーっと描き続けていたのかと思うとね…。

飴屋さんは初の木彫作品だった。木彫3体と、鉄球で構成。『幽閉者』からの発想もあったのかな。肉体や生物、細菌からちょっとだけ視点が変わったみたいで興味深い。来月の『転校生』演出ともどもどうなっていくのかこれからも楽しみです。

「今、見たい日本のアーティスト36組」とキャッチがついていましたが、その中に故人や、'60〜'70年代に活躍した作家も含まれていたのがよかった。現在進行形の美術、そこには「瞬間」と「連綿」が同居する。

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『鳥獣戯画がやってきた! ―国宝「鳥獣人物戯画絵巻」の全貌』前期@サントリー美術館

ミッドタウン内、2フロアのコンパクトな美術館ですが中味は充実!展示替えもあるので後期もなんとか行きたい。もうちょっと長い期間やってほしいよ〜。

で、うさぎやらかえるやらのあれ、国宝鳥獣戯画ですよー!きゃーかわいー!模本があんなにあるとは知らなかった…コピー機とかないから(あたりまえ)手描きで模写して伝えて行くしかないんですな。オリジナルも紛失巻があるし、模写の段階で構成を変えたり描き足したり着色してるものもあり、種類はかなりありました。模本のみの展示も結構あるらしいんですが、今回は京都・高山寺所蔵のオリジナルがメイン!

作者不詳で、何のために描かれたかも不明のこの絵巻、それでも見たひとは皆にやにやしちゃうこと請け合い。平安時代のひともこれ見て笑ってたのかあと思うと何だか不思議な気分です。

でもなんでうさぎとかえるだったんだろね。きつねとかもちょこちょこいましたが。きつねがね…自分のしっぽに火つけて松明みたいにしてにこにこしてる絵があって、おまえは大丈夫かと思いましたよ…。焼けるぞ。

それにしても下描きとか一切してなさそうだった。してないだろう。構成考えて描いたんだろうか。即興の極みなんだろうか。

関連資料:
『美術手帖』2007年11月号
しりあがり寿さんと山下裕二さんの見どころ鑑賞ガイド対談がむちゃむちゃ面白いです。