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2007年04月21日(土)
『写楽考』2回目とか

あわー『バベル』公開に合わせてか今TVで『21g』をやっている…これ好きな作品だったけどめちゃヘコむ…けど観てしまう。けど今真剣に観たらすごいロウになりそうだからながらで観る(笑)

映画が公開された時、前売り券買うとおまけで分銅キーホルダーくれたんだよなー。まだ持ってるよ。ひとが死ぬとこの重さだけ軽くなる、21g。

これベニーとペン兄とナオミ・ワッツのガチンコっぷりがすごかったけど、ゲンズブールもちょっとの出番ですごい印象的だったなあ。

あれ、そういえばベニーてこの後『シン・シティ』出てから出演作公開されてないよな。ゲバラの映画はいつ出来上がるのですかー。

うわ面白い偶然、明日『ウェルカム・ホーム!』の再演観に行くんだけど、これの初演と『21g』、ほぼ同じ時期に観たんだな→当時の日記

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『写楽考』@シアターコクーン

うっわ笑いどころが増えている…写楽が背負ったと語られる「滑稽と悲惨」がギリギリの線で現れている。これどっちに転んでもダメだから、難しいですね。悲惨であればある程笑えるし、滑稽であればある程やりきれない。

ああしかし贅沢言うなと言われそうだが、このメンツなら、まだ化けるんじゃないのかなと期待してしまう部分もある…いい意味でそつがないんですが、もっとマジック起きそうな気がするんですよね、このメンツなら。勿論今の状態で観ても面白いのですが。

とは言いつつも、やはりあのつかみはいい。和太鼓の音ってすごく大きい。それ迄話していた観客がビクーッとなって途端に静まり返る瞬間は観ていてとても面白い。

個人的には蔦屋重三郎に興味が行く。写楽のプロデューサー。野心、ハッタリ、根回し、企画力、時代を見極められる目、全てが魅力的に映る。拾うのも捨てるのも早い。死に様もあっけない、そこがまた“らしい”。「写楽が28枚の役者絵で浮世絵界に殴り込みをかけ」てからのシーンの緊張感、高揚感はすごい。語りだけであれだけわくわくさせられる西岡さんの声の力。

基本的に登場人物は皆あっけない。短期間で燃え尽きる。それは自分の意志とは関係がない、と言うかどうにもならない。それでも皆引き際は笑顔だ(歌麿はちょっと違うかも知れないが、彼はお米とお春にある種の思いを託すことが出来たのではないだろうか)。首くくりにされる写楽ですら現状に感謝する。矢代静一氏の作品は初めて観たが、他の作品もそうなんだろうか。ひとの生き死にのあっけなさ、しかし生きたと言う喜びは確かにあると言うこと。