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2005年07月07日(木)
『LAST SHOW』2回目+α

『LAST SHOW』@PARCO劇場

初見の衝撃度がなくなったらどうなるかなと思い乍ら観たが、いやいやどうして、話の強度は全く薄れません。ネタバレしてるからこそ気付いて背筋が寒くなるところもある。でも話を知らないからこそのあの衝撃を、未見のひとから奪うのはあまりにも勿体ない。全公演が終わる迄ネタバレはしないでおく…。

これ、翻訳して外国でも上演出来ると思う…と言うか、上演すればいいよ…持っていきなよ…(誰に言ってる)。中島のように「何人かは感動する」よ、あのシーン。勿論、そこだけじゃない。そこだけで片付かない。

中島の視点を、やはり長塚くんには感じるな。誰にも肩入れしない。嘘は言わない。もっと、もっと、と思っている。全てを見たいと思っている。だからしんぺーさんのシーンで終わりにはしない。美弥子に「そうかな」と言わせる。勝哉に喋らせる。

その中島役をにゃきゃやまさんが演じてるっつーのがまたいいね!PARCO劇場のサイトに登場人物のプロフィールが載っているんだけど、「やがてドキュメンタリー界を担う男になる」ってあるのね。やがて…か。やがて…はあるのかな…。ここ、舞台=演劇ならではだなと思った部分で、以下ネタバレ故反転(中島って途中から本当に死んでない?「首が飛んでも動いてみせるわ」みたいな)と感じたりもして…なのに撮る、それでも撮る。撮れる。それほどのひとなんだって言う。

それが良いことなのか悪いことなのかって部分もあるけど。人間本音だけじゃ生きられないでしょ。

あ、でもそんなこと言うと中島に「おめーは甘い!」って言われる、きっと。

しんぺーさんのあのシーン、場内のどよめきが凄いんです。ここを楽しめたってのは、リピートならではかな。初見は自分もどよめいてた訳で(笑)いや、あれはどよめくよね…ここって、映像でやったらエグいし、驚きよりも、あ〜映像だしね〜いじれるしね〜って方向に行ってしまうかも知れない。これも舞台でやるからこそで、それが笑いにも繋がり、陳腐な言い方だけど感動の域迄拡がっていくんだと思う。今日はちょっと涙出た。

またそこでいいこと言うんだ。あれってそうあればいいなあと皆が一度は考えることでしょう。ひとによってはずっと考えていくことでもあるし。「チャラにしようや」ってあの子たちが言えたら、どんなにいいだろう。

ところで序盤、古田さんがげーってなってたのは何だったんだ。演技とは別のところだと思うけど…。このひとのことだから二日酔い?と勘繰ってしまったよ(笑)

あーネタバレしないようにしないようにって書いてるから、あれそれこれここ、の代名詞パレードだ。

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■『空港にて』村上 龍
『半島を出よ』を買うつもりが、文庫になってから読もうかななんて気の迷いが…村上さんの本って、上下巻になると大概ハマるんだよね…(自分が)『コインロッカー・ベイビーズ』も『愛と幻想のファシズム』もそうだったんで。なので腰を据えて読みたいなあなどと。そんでこれを買った(笑)
あらかじめフォーマットを決めた上での短編集で、とても読みやすいし、面白い。編集(掲載順)もいいなあ。他の話の希望は曖昧なまま終わり、最後の『空港にて』で像を結ぶ。勿論その希望も、これからのことなので確定ではない。「将来が今よりも良いものになるだろう」と言う希望。そうだ、本当はそう思いたいんだ

最近この手のことはよく考える。先日ちょろっと書いたが、スマパンの「TODAY」は“Today is the greatest day / I've ever known”の後“Can't live for tomorrow / Tomorrow's much too long / I'll burn my eyes out”と続く。そして、ビリーの最新作のタイトルは『THE FUTURE EMBRACE』だ。そういうことかな、と自分では思っている。