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2005年06月04日(土)
『センター街』『銀河鉄道の夜』

M&O playsプロデュース『センター街』@ザ・スズナリ

岩松了3本連続公演の2本目、初見。

ううーん面白かったんですが、ちょっとひっかかる部分もあり、集中力が切れてしまいました。これは自分の問題なんで。

女優陣があまりにもファナティックで退いてしまった部分もある…ああいう人物像はあると思うんだけど、その表現の仕方があまりにも極端過ぎた感じがしたなあ。声の張り上げ方とか。女性の笑い声とともに暗転、と言うシーンが3箇所くらいあったので、きっかけとしてのものではあるものの、そのイヤ〜な感じを助長させると言うより、我に返されてしまった。

でもその笑い声以外んとこは引っかかることもなく。岩松歌舞伎的なお約束、階段も液体もあって楽しめました。そう考えると倉持さんの演出ってきちんと岩松さんの意図を汲んでいるのかな。

ちなみに『墓に唾をかけろ』はヴィアンです(笑)

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山の手事情社『銀河鉄道の夜』@東京芸術劇場小ホール1

ハシゴ。前売りを逃したので当日券。ジェンヌお付き合い有難うございました。

泣き疲れた…。終演時にはまぶたは腫れてるわ、シャツの襟は涙でじっとりだわで我ながら呆れた。原作はもー何回読んだかってなくらいで、いちばん食べてみたい小説に出てくる食べ物は「ジョバンニのお姉さんがトマトでこしらえて置いて行った何か」なんですけど。ちなみに2番は「ハイジのチーズ」、3番は「大草原の小さな家の雪にミルクかけたやつ」です。

序盤の(『午後の授業』よりも『家』よりも前に構成されていた)「みんなはね、ずいぶん走ったけれども遅れてしまったよ」でもうだばー、「ジョバンニ、ラッコの上着が来るよ」でだばー、「新世界交響楽だわ」でだばー、「もう駄目です、落ちてから四十五分たちましたから」「あした放課後みなさんとうちへ遊びに来てくださいね」でだばだばだばー。これ打ってる時点でまた泣いてる。何だろ、弱ってんのかな…(笑)またそういうとこをぎっしり凝縮してあって!『活版所』『天気輪の柱』あたりはカットされており、時系列もカット&ペースト状に散りばめた構成でした。上演時間は1時間半だったけど濃い濃い。

ナレーターを「文章」役の山本さんが務め、ジョバンニとカムパネルラを内藤さんがひとりで演じる仕組みです。文章とジョバンニ/カムパネルラは常に寄り添って動く。それが乖離し、カムパネルラを大久保さんが演じるところがあります。文章がカムパネルラを担うところもある。その時ジョバンニは内藤さんひとりで演じることになりますが、そのシーンと言うのが、カムパネルラと女の子が仲良く話していて、ジョバンニが(カムパネルラだってあんな女の子とおもしろそうに談しているし僕はほんとうにつらいなあ)と思うシーン。

ああ、置いてけぼりだよジョバンニ。ひとりぼっちだ。死ぬのもひとりぼっちだけど、生き残るのもひとりぼっちだよ。ここ迄ジョバンニ/カムパネルラは、「どこまでもどこまでも一緒に行こう」と言う台詞に象徴されるように一体だったけど、それはやっぱり無理なんだ。

と、ここでまただばーーーーー。

うーん深い。この原作って途中紛失している原稿もあるし、不可解な描写も多いので哲学書や思想書として追求・研究しがいのあるものですが、ここの解釈は堪えたわ…。わかっちゃいることなんだけど 、ここまでズバッと提示されるとヘコむー。

でもやっぱ最後、ジョバンニのお父さんが帰ってきそうだってとこで終わるとこにホッとするなあ。以前山の手が『青い鳥』をやった時も、兄妹が帰宅して、家にいる鳥を見付けるシーンでホントにほわーと胸のつかえがとれた感じがしたもんなあ。

この劇団のメソッドは、一歩間違えると自己啓発もののようなうさんくさいものになってしまいそうだけど、訓練された身体が思想に置いてけぼりにならないので、面白く観られる。あとやっぱり、基本的にポジティヴで外部に向いているんじゃないかな。閉鎖的ではない。

ハラカミくんの曲や、ブライアンイーノの『トラフィック』エンディング曲(あーそういやこれも最後はベニシオさんが犠牲になっちゃったのかな…と言うような終わり方だったなあ(涙))が使われていたのは嬉しかったな。どちらもシーンにぴったりでした。今回の衣裳は『FOLKLORE』を思い出したなあ。すり足が見えないようになっているもので、よって物体がスライドしているように見えるオブジェ的な衣裳。照明も美術も毎度のごとく面白かったです。

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帰りにジェンヌと「宮沢賢治はパンクだ」「世界平和とか人類皆幸せになるにはとか考えてる人間は、実は勝手だ」「そういうひとに限って周りのひとの気持ちに気付かない」「自分の幸せは置いといちゃうから」「常に自己犠牲がついてくるから」「愛情の対象だったり、家族とかだったりしたら大変」と言う話になる。なかなかうまくいかないもんだよね…。『プラネテス』に出てくる引用の話もした。

で、それって川島さん…?と言う話に(大笑)川島さん宮沢賢治好きだもんねー。出身も岩手だしね。幼少の頃から宮沢賢治の思想に触れる機会が多かったとかってあるのかね…。

いや、でもそういうことを考えるってのは素晴らしいことだと思うよ!私も川島さんには幸せになってほしいと思うよ!勿論中野くんもなー。と、結局ブンブンの話になった(笑)

中野くんは本気で音楽は世界を変えられると思っているだろうし、それを信じたいって気持ちは私にもあるよ。それくらい音楽にはいろんな気持ちを委ねたくなる。それは決して非生産的なことじゃない。

最終的にはそんなこと迄考えました(笑)うーん深いよ宮沢賢治。