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2005年01月15日(土)
『走れメルス ―少女の唇からはダイナマイト!』

『走れメルス ―少女の唇からはダイナマイト!』@シアターコクーン

うあー、派手に風邪ひきました。ぼんやり頭で観たのが悔やまれる。リピートしたい。

疾走するジジイは蜷川さんですが、挑発するジジイは野田さんと言うことで。ジジイって歳でもないですよね今年で50歳。51歳の浅野さんが随分ジジイネタでいじめられてましたけども(笑)ジジイ言うな!…それにしてもジジイ(結局言ってる)にこんなに挑発されてる近頃の若者と言うものは!(拳を握りしめる)「おまえら何やってんだばーかばーか」「50になる俺がこうなんだぞばーかばーか」って言われてるようでした。ははは。思えば『キル』初演を観た時も、「お前等俺がイギリス行ってる間に何やってたんだよばーかばーか、俺はこんなのを作ったぞ!」と言われてるような気がしたものです。

久し振りに“野田秀樹節”を観た印象です。ストーリーを逸脱しつつもパワーがある。物語をひっつかんで上空高く打ち上げるような爽快さと切なさと。初見ですが、今観ると、桐島洋子の三人の娘を『マクベス』の三人の魔女=実はほんとのこと言ってる、とか、大地主=大人の世代=『真情あふるる軽薄さ 2001』で古田さんが演じた男=若さへの憧憬と訣別、なんて連想してしまったりもしました。

“野田ワールド”の中にあっても、出演者の出自が明確になっている面白さを感じました。伝統芸能の身体能力!型を操る勘太郎くん、つか芝居の強い女直系!の小西さん、「1舞台に1古田、演出家の愛人」(笑)古田さん、高い技術をくだらないことにこそ(褒め言葉ですんで)全力で使う小松さん、「本当はメルスなんて最初からいないのよ」と言われてしまう希薄さ=透明感を持ち合わせている河原総代。演出家の影響力がありながら、きちんと“役者”を感じることが出来る。あまりにも演出家の力が強過ぎる=独裁になってしまうと、役者の言動が統一されすぎな気持ち悪さがあるんです。変な例えだけど、ナチスの行進や、北朝鮮のマスゲームを見た時の感覚に近い。あれ程迄に人間が揃いも揃っているってのには、正直恐怖感を感じる。作家・演出家の思いを体現すると言うのは、それとは違うものだと思うので…。

なんてことを考えてしまったくらい、のびのびとした舞台の印象でした。スタッフワークも素晴らし過ぎた。舞台でいやらしくなく素直に「格好いい!」と思える映像の使い方も憎い。美術も照明も選曲も。ああ憎たらしい。何に対して憎いのかわからない。あんまりにもいいもんを観ると嫉妬もわきます。それを感じてニヤニヤしてる野田さんも浮かびます(笑)

ああリピートしたいよう。クリアな頭でまた観たいよう。熱出てたんで何か眼もにごっててピントがしっかり合ってなかった気もする。キー!

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■またヨウ様言われてる(書いてるのは19日)
SPA!に蜷川さんと高橋くんのインタビュー。面白い記事です!ヨウ様をきっぱり拒否している高橋くんも頼もしい。しかしヨウ様はやめておくれよ。『男優倶楽部』の記事でもヨウ様と書いていたライターさんよ…どうしたいんだヨウ(はっシャレになってしまった)