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2004年01月16日(金)
燐光群+グッドフェローズ『動物園物語』

燐光群+グッドフェローズ『動物園物語』@梅ヶ丘BOX

やるなら行きます『動物園物語』。大好きな作品です。とにかくいろんなバージョンが観てみたいのねー。今回は青井陽治さんの新訳・演出。ピーターは大西孝洋さん、ジェリーは瀧口修央さん。

梅ヶ丘BOXには初めて行きましたが、センターステージ使いでした。いつもこの使い方なんでしょうか。昨年のNの企画版でも、スズナリをセンターステージ使いにしていて面白かった。舞台と地続きな感じで面白い。

美術も面白くて、舞台と客席の境目に、幅20cmくらいの薄いアクリル板のようなものが等間隔にぶら下げてある。立ち位置によって役者さんの姿が半透明で見えたり、客の顔が反射して写っていたり。セントラルパークに自分たちもいるかのような錯覚を受ける。木の陰に隠れてふたりの会話を聞いているようだ。美術の二村周作さんは、今度PARCOの(三上博史さん主演)『HEDWIG AND THE ANGRY INCH』(!!しかも編曲が横山キース英規氏だよ!っひゃー!)の美術も手掛けるそうで、気になります。

で、新訳。う〜これはこっちの都合なんだけど、鳴海四郎氏訳のバージョンをアホみたいに読み込んでいる(そしてザズゥシアターのバージョンをアホみたいに観ている)ので耳に馴染まなくて…「カード」より「トランプ」で聞き(読み)なれてるから。「ままにならぬは浮世の習い」も違う訳になってたんだけど思い出せない…あと「(ハンバーガーの)パン」が「ロール」になっていた。

ここらへん比較していないので判らないんだけど、やっぱり原書では「card」「roll」なのかな。鳴海氏訳の戯曲は1986年に出版されたものなので、当時は「トランプ」「パン」の方が耳馴染みが良かったのかも知れない。今はパンをバンズって普通に言ったりするし…でもこの新訳がより現代的になってるかと言うと、微妙だな…役者も何だか本を初読みしてるみたいだ…(私見ですから!)なんてことを考え出してしまい終盤近く迄おろおろして観てました…ダメじゃん自分!ベンチ争奪戦の辺りからやっと入り込めた。そういう意味ではピーターの心境に近い状態で観られたのかな(笑)「何言ってんのこいつー(ジェリー)どうしよっかなーちょっと怖いなー」って感じで。

役者陣はうーん、「ジェリーと犬の物語」のとこがちょっと弱かったかな…瀧口さんは出てきた時点でもうかなりヤバそうな雰囲気を醸し出していて(いや、役だから!)「うわピーターはやく逃げなよ…」なんて思ってしまったんですが(笑)近くで観ただけに迫力ありました。大西さんは巧いなと思った。ジェリーの話を延々聞かされる困惑が、ちょっとした仕草や表情に出ていて面白かった。