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2003年12月13日(土)
『HAMLET』2回目

『HAMLET』@シアターコクーン

当日券でリピート。初見は開幕1週目、若い役者が多いカンパニー。大化けしてる可能性もある、ワクワクする。立ち見のつもりでいたら、S席のすっごいいい位置(中2階下手側バルコニー3番目)がありますよと受付で言われる。………ええいとっちゃれ!…これで『リチャード三世』は行けなくなったな…(でも評判すっごくいいので何とかして行きたいよう)

チケット確保〜開演間にコクーン近くのタリーズへ行ったら、串田和美さんがお茶してらっしゃいました。ハムレットを観に来たのかな〜、じゃあ同じくらいに店を出ればいいやなんて呑気に構えていたら違ったようで(笑)気付いたら開演5分前を切っていた。ダッシュで劇場に戻る。串田さん何でタリーズにいたんだよう!

席に着いたらまあ、近い近い近い!近いよ!身を乗り出せばフェンスにさわれそうです。役者陣の表情の変化がとてもよく見える。涙の筋まで見える!

やっぱり1週目より断然いい。若手陣が生き生きしている。上限が見えないんだよ!もしこの公演がロングランだったら、どこまで伸びたかわからないほどだ。まさにスポンジくん(いい意味でな!この台詞、萬斎ハムレットではあったのにこっちではカットされていて残念よ〜)、どんどん現場・本番の空気を吸収している。

ベテラン陣の懐の深さもこの好演の要因だと思う。ポローニアスのたかおさん、改めていいなあと思った。あと座長の沢さん。ハムレットの台詞を受けて朗々とひとりがたりをする時の迫力がすごい。

個人的に、初見より断然良くなった印象があったのは杏ちゃん。狂いっぷりがすごくなってた。かわいらしい女の子だった時との落差がすごい。あんなに清楚で美しかった少女が…と素でショックを受けてしまったほどの荒れっぷり。あのね、すっごい下品になるの。「げははははは」とか笑うの。あんなにかわいかったオフィーリアがあ!理性がすっかり崩壊して、動物になってしまった姿。これはツラかった〜!その分すごく悲しかった〜!その後オフィーリアはレアティーズの前にその姿を晒すのですが、井上くんがもー泣いちゃって。こっちも泣いちゃったよ!

初見後にきたはらさんから話を聞いて、気になっていたところも確認出来た。ホントだ、スローモーションのシーンでギルデンスターンがどさくさにまぎれて旅役者さんを殴ってるよ!ローゼンクランツはいちもくさんに逃げていた。その際さりげなく、床に置かれていたロウソクを片付けていた(笑)

そうそうローゼンクランツと言えば、この日は藤原くんの短剣のカバーがとれてしまって、しばらくステージ上に落ちたままだったのでどうするのかな、と思っていたら、彼が出てきた際これまたさりげなく片付けて行きました。ロズ、気が利くね!

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最後に某所で読んだ楽日のはなし。あー行きたかったなあ。それにしてもいいカンパニーだったんだねえ&高橋くんはホントに控えめなひとだね…(涙)

■カーテンコールでは、今回の宣美のイメージカラーである白・銀・水色の紙吹雪がどっさりと降った(コクーン千秋楽ではおなじみ?)
■紙吹雪の中、皆抱擁しまくり
■若手の何人かが男泣き
■ギルデンスターンの中山さんなんかもー泣きじゃくっていた
■ホレイシオの高橋くんは、他の出演者がはしゃいで抱き合ったりしている中、タイミングがずれるのか輪の中に入れずウロウロして、そのうち両面の客席に深々とお辞儀をして袖に引っ込んでしまった。藤原くんとは随分後になって抱きあっていた

そうそうロズギルが印象に残ったんだよ!ハムレットなのに!(笑)新川さんと中山さんふたりの『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』も観てみたくなっちゃった。どうでしょう、短期間でもいいから。ニナガワカンパニーダッシュの本拠地・ベニサンピットあたりで。観たいよ〜!

それにしてもやっぱり蜷川さんてすごいひとだわと今更ながら。ファンなので多少甘く観てるかなあなんて思う時もあるんだけど(まあね、時にはホントに外すけどね(笑)でもこれは誰にでも言えることか)シェイクスピアをやらせたらホント凄いわ…見せ切るパワーが桁違い。

そしてファンながらも、役者に愛がないなあこのひとと思うことも時々あった。それだけ演出の力が強いってこともあるだろう。でもそれがここ数年ですっかりなくなった感があるのも嬉しいことだ。いや、何て言うか…愛が云々と言うより、役者を信用するようになったのかな。若手を育てようと言う気概も感じる。この歳になって新しいことにチャレンジし続ける姿勢は本当に尊敬する。

いいもん観ました。