Movin'on without you
mako



 お兄ちゃん。

おにいちゃん、ほしかったのね。
まこにはおとうとしかいないから。
かわいーんだけどね、おとうとも。

かっこよくて優等生で野球部かバスケ部かサッカー部で
しかも生徒会会長とかやってる
そんな兄しかほしくなかったけど(笑)


まこのことを、高校時代から知ってくれてる
まあお兄ちゃんみたいな人とこないだひさびさに会いました。
むこうがお仕事忙しくなっちゃって
しかもちょこっとだけ遠くに勤務になっちゃって
全然会えなかったからゆっくり話したのは1年ぶりくらい。
ちなみに年は6つ上。新婚さん♪

しゃべってるときに言われた。
「まこは、自分のことを素直に見せるようになったね」って。
昔はどっかに壁があったらしい。
隠してきたつもりだったけど、彼にはばれてたみたいで。

うれしかったよ。わかってくれてたんだーって。
そうだね。壁はあったと思う。
昔は好きな人にしか、ほんとの自分見せてなかったから。


いかせんっていう、好きな人がいた。
彼の前で、毎日泣いてるだけだったときがあった。
泣き顔しか見せてないんじゃないか、ってくらい。
でも何も言わずに彼はそこにいてくれた。
それが、ほんとうにほんとうに嬉しかった。

一度、謝ったことがある。
「泣いてばっかりでごめんね」って。
そしたらいかせんは言った。ちょっと笑って、
「もう慣れたから」
いいんだよ、って言ってもらうより嬉しかったの。
あたりまえ、のことにしてくれた。
私が泣くということを。
毎日泣かれたら誰だってめんどくさくなるのに。
なのに否定しないで、ちょっと冗談まじりに。
嬉しくて、安心して泣けた。彼の前では。

彼の前でしか、泣けなかったの。昔は。
それくらい、好きだったし、
それくらい、信じてた。


いかせんが正しいって言ったら、
どんな罪でも犯してたと思う、あの頃の自分は。
それくらい、彼を信じてた。
そんな人がいた。

2001年10月11日(木)
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