Movin'on without you
mako



 ゆーすけ。その4。

ゆーすけに告白はしないって決めてた。
彼も私と同じで、追いかける恋愛しかできない人だから。
自分から思いを伝えた時点で、私の負けだと思ってた。

恋愛は勝負事じゃないんだけどね。
でもゆーすけとの恋愛は勝負事だった気がする。
私の中で。ゆーすけに負けないように必死だった。
奴のほうがどう考えても恋愛を知ってたから。

でも負けたくなかったのは、ゆーすけがほしかったからだよ。
あたしに惚れてほしかった。
私はとっくにゆーすけにほれてて。気持ち持ってかれてて。
だからおんなしくらいほれてほしかったの。
ほんとは、ずっと一緒にいたかった。

いつだったかゆーすけがした、「忘れられない女」の話。
それは、彼が昔、失った女性の話だった。
ゆーすけは、手に入らないものを求めつづける人。
わかってて、でも言っちゃった。「好き」って。
言いたいきもちに、私が負けた。
彼は言った。「もうちょっと1人でいたいから」

いつもそばにいたいと思わせられる女には、なれなかった。
ゆーすけのなかで、あたしはその他大勢と変わりはなくて。
ちょこっとだけ泣いたよ。悲し涙と、悔し涙と。

最後にせいいっぱいの反抗のセリフ。
「私なら全部許すのに」
ゆーすけ苦笑してた。私も馬鹿な事を言ったもんだねえ(笑)

でもほんとにゆるしたのにな。

それ以来、ゆーすけとはただの一度も連絡をとってません。
恋が終わってしまったわけではなく、
相変わらず、わたしはゆーすけが好きだけど。
でも「恋愛」っていうゲームは終わってしまったんだと思う。
これ以上は、嫌われるのが怖くて踏み込めない。

今でも会いたい気持ちはかわってないのに。

2001年10月05日(金)
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