前潟都窪の日記

2004年12月19日(日) ストーム��

 ▼ストーム
 寮生活をしたものなら誰でも懐かしく思い出すのがコンパの後にかかるストームである。パンツ一枚になってスクラムを組み、蛮声を張り上げながら廊下を練り歩き、真面目に勉強している部屋を見つけると攻撃目標にして、戸をドンドン叩き部屋の中へ乱入する。

 ストームが始まったらたとえ勉強していても、部屋の前を通りすぎるまで中断して、むしろ積極的に戸を開放しておくとよい。ストームが近づいてきたら拍手してやるなり、握手をしてやるとストームの連中はご機嫌になって通りすぎて行く。

 ストームをかける連中の意識は次のようなものであろう。俺達は仲間と一緒に酒を飲んで、人生を語り恋を語り政治を語った。楽しくて楽しくてしかたがない。この楽しさを共に分かち合いたい。こんな気持ちで青春のエネルギーの捌け口を求めて練り歩くのである。ここのところが分かっていると、多少の乱暴は稚気愛すべきものとして許すことができるのである。ストームをかけている側は戸を開けて歓迎してくれると男子意気に感じてくれる同志がいたかという気持ちになり非常に愉快になるのである。

 泥酔すると人は無意識界に陥る。無意識界での行動が他人に迷惑をかける反社会的な行動に及ぶようになれば、これを酒乱というのであろう。酒癖の悪い所謂酒乱に属する僚友を二人懲らしめたことがある。

 一つは後期試験で西寮生全員が試験勉強に励んでいるとき、三人ばかりの寮生と飲んで酩酊して帰ってきたO君が大きな声で歌を歌いながら部屋へ入ってきて、いつまでたっても同室の4人に絡みついて、止まるところを知らない。言っていることも支離滅裂である。自室へ連れていこうとしても居すわって動こうとしない。そのうち手を挙げて私めがけて殴りかけてきたのであるが酔っているから当たらない。酔っぱらいの馬鹿力に殴られてはたまらないので狙いすまして反撃したアッパーカットが見事決まって、ダウンした彼はすやすや眠りだしたのである。


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