松田君の部屋でおやつに出された蒸し芋をたらふく食べた二人は眠くなってしまった。松田君がいいところがあるからついておいでというので付いて行くとどうやら納戸のようである。松田君がスィッチをいれると戦時防光を施された電球の淡い光に映しだされた薄暗い部屋の入口近くには布団が数組畳んで置いてあって、部屋の奥の方には長持等も沢山並んでいる。
「この中で昼寝しょう。気持ちがいいぜ」 と松田君がニコッと笑みをみせてから一つの長持ちの蓋を外しておいて、電灯のスイッチを切るとその中へ潜り込んで横たわった。勇も入口の扉の隙間からこぼれる微かな明かりを頼りに松田君の隣りの長持ちの蓋を外して潜り込んだ。長持ちの中には来客用の絹布団が仕舞ってあったのである。初めて触れる絹布団の肌触りを楽しんでいるうちに松田君の微かな寝息が聞こえだした。釣られるように勇も何時しか眠りに陥っていた。
どれくらいの時間経ったのだろうか、勇は妙な物音に目を覚まされた。喘いでいるような呼吸が続いているのである。最初松田君の寝息かと思ったが音のする方角が違っていて喘ぎが段々激しくなってくる。勇は何か異変が起きているらしいので音をたてないように注意しながら首を持ち上げて周囲を見回した。目を凝らしていると暗闇に目も馴れてきて扉の合わせ目から漏れて差し込んでいる光に映しだされて、入口近くの拡げられた布団の上に蠢く二つの異様な姿が目に飛び込んできた。女の白い脛が二本、天井に向かって45度の角度で投げ出されており、細かく震えるように蠕動している。そして曲がった膝に連なる太い二本の白い脚の間に黒く蠢いている塊がある。勇は不動金縛りにあったように身動きすることが出来なくなって息をするのも憚られた。
唾を音のしないように飲み込んで見ていると黒く蠢いている塊は男の頭髪であり、女の股ぐらへ顔を突っ込んで秘所を舐めまわしているもののようである。そして男も下半身剥き出しで女に覆いかぶさっており二本の毛むくじゃらの脛が女の顔を挟んでいた。女は男の秘物を口にくわえてしきりに上下に頭を動かしながら呻き声を噛み殺しているのである。
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