前潟都窪の日記

2004年09月10日(金) 【ワーキングホリデーの若い日本人・・オーストラリア�ぁ�

平成10年8月23日(日)                          
 関西グループはシドニーへ向かうので朝、ホテルで別れて、我々は難度3〜4のターリーリバーのラフティングに向かった。現場へ行く前にターリーカントリークラブへ立ち寄り、ティータイムを取ったが、食堂ではラフティングのビデオを放映していた。どのような遊びなのか、不安に思っていたので食い入るようにして、これを見るとゴムボートから水中へ落ちたり、転覆して大騒ぎしている場面が頻繁にでてくるではないか。思わず、緊張感が背筋を駆け抜ける。最初は履いていった靴のまま挑戦しようとしていたが、靴は必ず濡れることが分かったので、レンタルの物を借りることにした。眼鏡も外したほうが良さそうなので不自由だが、外すことにした。         

 ライフジャケットを着用する前に、皆に倣ってナイロン制のシャツを着用しようと探したが、いずれも馬鹿でかくて体にあいそうもないので、海水パンツ一枚の裸で、挑戦することにした。後で考えて、転落したとき岩肌にぶっつかった時、肌を露出していると擦り傷ができるのではないか等と不安感がよぎっていく。サイズが合わなくてもぶかぶかのものでも着用すべきだったかなと反省するが、もう遅い。   

 同じゴムボートに乗っているのは、石村夫妻、安田夫妻、見知らぬ若い日本人女性の二人連れと私と日本人ガイドの馨君で計八人である。

 乗船前に指輪、イヤリング、眼鏡は危険だから外すようにと説明があったにもかかわらず、私の真向かいに乗った女性は宝石のついた指輪を外していない。これに気がついた私が指輪を外してないではないかとクレームをつけると「外れることはないから大丈夫ですよ」と平気な顔をしている。むしろ文句を付けられて不愉快だという顔をしている。私が問題にしたのは、激流でボートから投げ出される時などに、相手の顔に指輪の石が当たって大怪我をさせる場合のことを心配したのである。彼女にはその視点はなく、指輪が無くならなければ良いという視点しかないのである。プレイ中は一種の運命共同体を形成する仲間に対して、危害を加えることになるかもしれないという視点が抜け落ちているのである。たかが遊びで、言い争いをするのも大人げないと思ったので、黙認したが、世の中には、これに類した自分の都合だけしか考えていない行動が如何に多いかということの一つの証左でもある。             
 多少のオリエンテーションがあって、いきなり流れに漕ぎだした。ボートから落ちないように、また転覆しないようにと、緊張した動きが続く。ボート部で鍛えた経験から、全員のパドルの動きが一致していなければボートは転覆すると考えてイチニ、イチニの号令をかけたが、途中からキャッチ、ロー、キャッチ、ローに切り換えてボートの動きを仕切った。お蔭で、一度も転覆することなく、幾つかの急流を乗り切って行くと次第に慣れてきて緊張感はなくなってきた。そのうちいつしか、号令をかけるのも馬鹿馬鹿しくなってやめることにした。
 
 暫くしてこの遊びに慣れてくる頃には、船も下流にさしかかり、激しい流れの急流も少なくなった。安全上の問題がなくなったので、同乗のガイドはわざと企んでボートを転覆するように仕組んできた。見事転覆して、私はボートの下に沈んでしまった。暫く真っ暗なボートの下でもがいてから水中深く潜り、ボート下から脱出して水面へ首を出すことができた。多少慌てていたのでしたたかに水を飲んでしまった。今日のラフティングはスリリングで面白い体験であった。わざとボートが転覆するように仕向けたのも、オーストラリヤ人が「観光は個人の楽しみのため」「楽しみはスリリングである程、思い出に残って又、来たくなる」というコンセプトを実地に演出してくれたのではなかろうかと理解している。
                                        
 帰りのバスの窓から外の景色を眺めていると、山々の立木が見えるだけで、人家や人工の物は一切目に入らない。送電線すら見当たらない。旅行の最終日になって、折りにふれ感じていたことを纏めれば、次のようなことになろうか。

 第一に、自然環境を非常に大切にしている国だということ。これは外国から、穀物、動植物などの食糧品を持ち込ませないという政策を堅持していることからも読み取れる。他の大陸と違った生態系を持つ豪州は、上記のような政策を堅持することによってのみ、この国独特の生態系を保護することができるからである。

 第二に、観光立国として生きていこうとする国であること。私が参加した遊びは、乗馬ブーメラン投げ、パラセーリング



シュノーケルを着けての遊泳、ラフティングであるが何れも、本文中で触れたように「観光は個人の楽しみのため」というコンセプトが確立されており、プロモートする側においても徹底されているのである。これが、ホスタビリティーとして日常の接客行動に現れてくるように思える。
 これはハワイでも感じたことであるが、観光客に気軽に挨拶の言葉をかけてくることにも現れているように思える。

 第三に、若い日本人男女が、ワーキングホリデイ制度を使って、到る所で活躍していることである。気候的にも風土的にも日本の若者を魅きつけてやまないものがこの国にはあるということである。

 第四に、海岸を散歩していて、ビニール袋や空き缶、空きビン、煙草の吸殻、紙屑が全然見当たらないことである。朝の海岸の散歩で気のついたことであるが、まだ暗いうちから備え付けのごみ箱のごみを集めて廻っている市民の姿を目撃した。最初は市の清掃局員だろうとなにげなく考えていたが、服装や人品骨柄から判断するとどうもそうではなさそうである。見たところボランティアのようである。英語力があればその辺も確かめられたであろうが・・・・ 公共の施設を大切にし且つ綺麗に使うという公徳心が市民全員に堅持され、実践されているのであろうか。                  1998年8月27日記          


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