嗚呼!米国駐在員。
<目次>戻る進む


2006年06月11日(日) 丸山より宮里藍の方が感心する理由

土日は肌寒く天気が思わしくなく、ゴルフに行くのは中止。
自宅で、女子ゴルフの今季メジャー第2戦、全米女子プロ選手権をテレビ観戦した。

3日目終わってトップタイであった宮里藍であったが、惜しくも最終日にスコアを伸ばせずトップとわずか1打差の3位タイで終了。
Se Ri Pakとカーリーウェブに、ミッシェルウィーが追いかける展開となり、これらメジャー選手の出入りの激しい中継シーンがほとんど。上位にもかかわらずアメリカでは無名の宮里はなかなか画面に映らない。映った、と思ったら厳しいParパットのシーンばかりで、我慢のゴルフを続けている様子がよく分かった。アメリカで優勝するためには最終日に爆発力が必要。宮里も攻めた結果だとは思うが、何とも残念。

先週も最終日を最終組で迎えた宮里だったが、最後にスコアを落として残念な結果に終わった。しかし最近は抜群の安定度であり、この調子で行けばLPGAでの初優勝も時間の問題だろう。欲を言えば、韓国勢のようにもう少しずうずうしくなることも必要かもしれない。まあ、若干20歳のツアー1年目では難しいか。


ところで、宮里藍について実に感心することがある。
それは、アメリカのテレビ中継のインタビューに、通訳を介せずに1人で受け答えを対応している事だ。

これは簡単なようで、意外と難しいのではないか。
ゴルフはもちろん野球も含めて、日本の選手が英語でインタビューのやりとりしているシーンは見たことがない。丸山は絶対に通訳を介しているし、イチローや松井はそもそもテレビ中継でインタビューさえ見たことがない。ある野球選手が、「俺は野球をしに行く訳で英語を勉強するつもりは無い。英語の勉強がストレスになって本業に影響したら意味がない。」と言っていたが、そんな事では、アメリカでファンに支持されて長くやっていくのは難しいだろう。

各選手とも、日本の番組ではインタビューに自分で答えている所を見ると、インタビューそのものは嫌ではなさそうだ。プロスポーツ選手としてのプライドの高さが、テレビで自分の英語力をさらけ出す事に対して単に躊躇しているだけではないか。特に出たがりの丸山は、活躍の場であるアメリカの番組には全く出てこずに勿体無い。

日本でも、クロマティ、ローズ、ラミレス、などが日本語を話すプロ野球選手として有名であるが、共に人気もあり、かつ息長く活躍した選手である。やはり、外人が一生懸命自分の国の言葉を覚えているのが分かれば、その国の人にとって悪い気はしない。


宮里藍は、自分でマイクを握って、ゴルフチャンネルのインタビューに答えた。

もちろん、相手はゆっくり英語を喋ってくれるし、宮里だって英語も完璧ではないし完全に言いたいことを言えた訳ではないだろう。しかし、知っている範囲の英語を駆使してインタビューに答える姿を見ていると、アメリカに溶け込んで自分でなんでもやっていこう、という姿勢がよく伝わった。過酷なツアーだけでなく、異国で生活するだけでも大変なのに、しっかりと英会話もスキルアップしているのだろう。宮里が1人でインタビューに応じたことで、「Nice Challengeですね、有難う」とインタビュアーから言われていたが、彼女の姿勢はテレビを見ていたアメリカ人にも好意的に捉えられたはずだ。
コース上では、他の選手と会話シーンが何度かテレビに映ったが、これなんかは外人(欧米人)とコミュニケーションを取るのに躊躇する傾向のある日本人は、意外と簡単に出来ない事である。

この先、アメリカで知名度と共に人気もアップしていくに違いない。





Kyosuke