嗚呼!米国駐在員。
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2006年06月08日(木) アメリカの田舎へ

ネブラスカ州に出張。
午前8時過ぎ、順調にフライトは飛び立ったが、到着予定の1時間を経過しても機体は空中をさまよい着陸の気配がない。

そこで機長からのアナウンスが入る。
目指す空港にはブッシュ大統領が来ており、セキュリティの都合で着陸許可が下りない、と。そこで、別の空港で一旦着陸して給油、許可が出次第出発する、それがいつになるかは、I don't know. と、淡々と説明があった。機内からは軽いブーイングだが、こういう場合のアメリカ人は潔いのでぐずぐず文句を言い続けもしないし、フライトアテンダントに苦情する人もいない。

うとうと眠り初めて気が付くとどこかの空港で給油中であった。
テレビでしか見ないような戦闘機が飛び交い、なにやら物々しい雰囲気があったが、結局は1時間後に離陸し、目的地到着は3時間後であった。

急いで120マイル離れた客先へレンタカーを走らせる。
それにしても田舎であった。ハイウェイの両側は永遠に続くかのような畑、畑。不安に思いながら指示された出口で降りる。見渡す限り一面に広がったトウモロコシ?畑の間に作られた、舗装もされていない一本道を、砂煙を起こしながらひたすら走る。道があっているのか途中で何度も不安になるが、東西南北地平線まで畑だけであり、人気家も車も全く無いからとにかく進んだ。10マイルほど走ると、小さな町が出てきて目的地に着き一安心。

スーパーも何も無いようなこんな街に住む人達は、どんな生活をしているのか不思議になるのだが、駐在でこの国にやってきた日本人が心配するのは余計なお世話だろう。

帰りには、もっとまともな道を問い合わせた。

「ここをまっすぐ行って、一時停止を右折すればハイウェイにぶつかるから」

その一時停止にぶちあたるまで15マイル。ほんまかいな、と疑いながら、20キロ以上も一本道を進んだが、一時停止が出てきたときはホッとした。この不安感は例えようが無い。その間、信号もないし、すれ違った車は数台。


帰りの便はスタンバイがうまくはまって、わずか5分待ちで予定より早い便に搭乗。

隣に座った若い兄ちゃんは、初めて飛行機に乗るんだ、と落ち着かない。米国軍隊のベースキャンプに行くのだという。聞くとまだ学生だけど、夏期休暇の9週間キャンプは参加しなくちゃならないらしい。純粋な大学生だった。初めて見る上空からの光景に夢中になりながらも、はじめてみる隣の日本人にも興味津々のようだ。

こちらの読んでいる本を見て質問してきた。日本の本を見てアメリカ人のしてくる質問はほとんど決まっているが、この若者も同じであった。

1.文字は上から下へ読むのか?
2.(ページを見て)数字はアメリカと一緒か?
3.ページは右から左へめくるのか?
4.一体何の本なんだ?

面白いのは、「それは何の本なんだ?」と図々しく聞いてくるアメリカ人が意外に多いことだ。こちらでは、見知らぬ人でも読んでいる本の内容を聞くのは普通なのだろうな。



Kyosuke