嗚呼!米国駐在員。
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2006年06月07日(水) 村上代表逮捕

ホリエモンに続いて村上代表が逮捕された事をネットのニュースで知った。
企業の経営を正し経済の効率を高める「ガバナンスファンド」とは、結局は高値で株を引き取りさせて儲けるだけのものだった。

アメリカに住み米国企業を見ていると、株主が経営者に企業価値を高めるよう求めるのは当然のこと。

村上氏が登場してきた際、ああ日本も変わってくるな、と感じた。特に日本の企業は長年、株式の持ち合いになどによる安定株主づくりを進めてきたこともあり、株主への利益還元のために株価を高めようという発想を持たなかった。株主と経営者の間に緊張関係をもたらし、それで企業価値が上がるのであれば村上氏の活動は否定出来ない --- 少なくとも、ネットで表向きのニュースを読むだけでは、そう好意的に捉える事も出来た。


確かに、村上氏は株式取得によって、時には経営者に直接面談して上場企業に容赦なく株主価値の向上を迫ってきた。おそらく、創業時にはそうした使命感もあったのかもしれない。しかし、結局は、ぬるま湯の経営者に意識改革を促す変革者というのは表の顔となり、実際には短期的利益を得るためのマネーゲームをごまかすために経営に口を出していただけとなってしまったようだ。

これは誰もが薄々気が付いていた事なのだろうけど、今回のインサイダーではっきりしただけ。今回の逮捕だって、ああ、やっぱり、というのがほとんどの国民の感想なのであろう。特に驚くべきニュースではない。


アメリカではインサイダーなどの不正へは厳しく対処される。インサイダー取引などで有罪評決を受けたエンロン社の元CEOには最長185年の禁固刑が科される可能性がある。日本では厳しい対処はされないのが通例だが、今回の村上氏への処罰はどのようになるのだろうか。


先日、昨年に放送された日本のテレビ番組の録画ビデオを見た。
番組は企画で1週間ホリエモンのかばん持ちをした学生を取り上げていたのだが、画面に登場するホリエモンの態度と雰囲気が気になった。
そこにはネットや新聞記事では伝わらない、何となくいやらしい人柄がにじみ出ていた。逮捕後に見たから特にそう思ったのかもしれないが、逮捕前に見ていても同じ気持ちだったろう。彼は自分より年下だけど、あんな後輩は要らんなあ、というような嫌悪感を感じた。生理的に受け付けない、というか。単にエラそうという事だけでいえば、読売のナベツネもそうなのだが、明らかにナベツネとはちょっと違う嫌らしさを感じた。そう感じたのは自分だけではないだろう。


今回逮捕された村上代表。
生の映像は一度も見たことがないのだけど、彼もきっとホリエモンに感じたのと同様の雰囲気を持っているのだろう。


Kyosuke