嗚呼!米国駐在員。
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2006年05月31日(水) やれば出来るじゃないか

コネチカットへ出張。

朝5時過ぎに家を出たのだが、外はもう明るい。有り難い。
飛行機は定刻通り目的地到着。予約しておいたレンタカーはVOLVO。可もなく不可もなく。ハイウェイを飛ばして通いなれた取引先へ。

商談はあっさり終了して、少々早めに空港到着。
待ち時間が3時間ほどあったが、その間に江戸川乱歩賞受賞の「13階段」(高野和明著)読了。ぐんぐん引き込まれてあっという間に終わってしまった。犯人分かっても真相を暴くトリックの謎は想像もつかぬストーリーであった。推理小説など読むのは10年ぶりくらいだろうか。飛行機の待ち時間には実に良い。

Bordingの時間が来たのでゲートに向かうと、いつもの事だが乗るべき飛行機が到着していない。
いつものように天候不良だとか言われて1時間くらい待ち、ようやく機体がやってきた。そして、Unitedカウンターの女性がマイクを手に、恐ろしいことを待ちわびた乗客達に告げた。

「ただいま飛行機が到着しました。乗客が降りてから皆さんが乗るまで30分しかありません。天候不良により目的地混雑のため、午後6時45分に出発出来なければ、出発は2時間遅れます。いいですか、皆さんの協力が必要です。荷物は1個は上の棚に、もう一つは前の座席の下に入れてください。いいですか、棚に入れるのは1人1つまでですよ。搭乗で時間がかかれば、皆さんの出発が遅れます。」

アメリカ人というのは心配性なのだろうか。1泊2日でも日帰りでも、とにかく荷物が多い。そして、航空会社を全く信頼していないから、荷物は預けずに手荷物で機内に持ち込む。1人2つもデカイ荷物を棚に入れるものだから、すぐにスペースは満杯。後で乗り込んだ乗客は荷物を抱えてスペース探しに機内でウロウロ。こうした時間が本当に長くて、離陸が遅れることはしょっちゅうである。

ところが、時間内に離陸出来ねば出発が2時間遅れると聞けば話は別だ。
乗客はいつもにはなくテキパキと座席につき、指示された通り1人1つだけの荷物が棚に収納されていく。前方座席下のスペースが空いている乗客は、率先して他の乗客の荷物を押し込める。こういう場合のアメリカ人の連携プレーは大したものだ。見知らぬ人どうしでも、進んで協力することが自然に対応出来る。



そして、見事に全員の乗客が時間内に着席、飛行機は予定通りの時間に離陸した。


やれば出来るじゃないか。


もっとも、結局天候不良でルート迂回。「着陸は40分ばかり遅れます。」というアナウンスがあった時、機内は大ブーイングであったが・・。

嗚呼!アメリカ!


Kyosuke