嗚呼!米国駐在員。
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2004年06月29日(火) 銀行口座を作るということ

せっかく昨日洗車したのに朝から雨がポツリポツリ。
まったく憂鬱な月曜だというのに、同じビルのアメリカ人は朝からハイテンションでついていけない。10年近く続けた、黙々と黙って通勤するというJAPANESE サラリーマンの習慣は、なかなか拭い去ることが出来ないな。

先日、銀行(BANK ONE)の新規口座開設をした。
自宅に「あなただけに特別!今口座開設すれば$50差し上げます」という、信じられないような手紙が舞い込んできた。こんな広告には普段は見向きもしないのだが、たまたま新規口座を作る必要があったので、これ幸い、とそのレターを片手に銀行に向かった。
銀行といっても、近所のスーパーの片隅の出張所。何の事はない、おおきく手書きの広告が出してあり「新規口座で$50進呈!」と書いてあった。なんや、誰でもいいんやないか。まんまとハマッタ日本人。

窓口に座り、新規口座を作りたい、というと、待ってましたとばかり機関銃のように相手は説明を始めた。
これがさっぱり分からない。何度聞いてもさっぱり分からない。もちろん自分の英語力の問題も多分にあるのは否定できないが、どうやらそのシステムそのものが日本とかなり異なっているのがその理由のようだ。

口座にはすぐに出し入れ可能のCHECKING ACCOUNTと金利のつくSAVING ACCOUNTがある。そこまではさすがの自分でも理解出来るのだが、さらにCHECKINGが4種類、SAVINGが3種類に分かれる。庶民が入ることの出来る最高ランクの口座(この言い方もおかしいが)は、PREMIER CHECKING/SAVINGといって、もちろん金利は高い。しかし口座管理料金も必要だし、最低預金額の指定もある。でも、1番目と2番目、2番目と3番目の違いがよく分からない。おそらく金利の違いがメインなんだろうけど、そのほかにOVER DRAFT TRANSFERだのSAFE DEPOSIT BOXだの、全く聞いた事のない項目が続く。

街でも日本人が常駐している銀行は口コミで広がりあっという間に人気が高まるのだが、確かにこんな説明を英語でまくしたてられても、ひょっとしておかしな口座に入って管理料取られるんちゃうか、という不安をあおるだけ。もっと日本語でしっかり説明を聞きたいという気持ちはある。

でも、そこまであれこれ考えるような資金がこちらにあるわけでもなく、口座手数料の取られない普通の口座を作った。手数料は払わないぞ、と念を押した。なんたって、180ドルの預金じゃどうにもならんな。日本でもCITI BANKが同じようなシステムをとっていたけど、果たしてこんなややこしいのが庶民の金庫にはなっていたのか、と思う。
もっとも、銀行からすりゃ、ちまちまとした一般市民の預金などは体制に影響なし、正直言えば管理が面倒なので一定額以下の預金はないほうがマシ、といったところなのだろうけど。

そうそう、CITI BANKといえば世界で安心、と思っていたのだが、何と日本で作った口座はアメリカのCITI BANKとは何の関連もなく、自由に送金も出来ない。一体どういうことや? 日本に残してきた口座は一体どうなるのか。住所変更しようとしたら、米国歳入丁規定の用紙を書け、とかで、読む気も起こらない英文の用紙を送ってきた。

もっとも、これも自己責任ということ。
預金といえば長年何も考えずに銀行に預けっぱなしであった自分のような人間は、とても米国の銀行のようなシステムについていけていない。少しでも損をしたくないと思うのなら、たかだか普通預金でももっと勉強せよ、という事である。銀行がつぶれて預金が戻らねば、そんな所に預けた自分がバカなのである。

アメリカという国も自由な反面、こうして生活を始めると、自分で考えて自分で何でもしなければならない事ばかりである。日本はあまりにも便利な反面、自分の頭で考えて判断するという過程は必要ない事が多い。どちらがいいも悪いもないのだが、この違いは大きい。

違い、といえば、口座を作った時の銀行員。デブのオッサンだったけど、コーラ飲みながら接客するのはやめてくれよな。


Kyosuke