嗚呼!米国駐在員。
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| 2004年06月24日(木) |
噂の多田野投手と高津投手 |
会社から帰ってのんびり家でメジャー中継(ホワイトソックス対インディアンス)を見ていると、インディアンスのピッチャーがどうも日本人顔。誰だ、こいつは。背中の文字を読むと、TADANOとある。打たれてはいたが、小気味いいテンポと人を食ったようなスローボール。なかなかのピッチングであった。
この男が噂の多田野投手。 もと立教大で、ダイエー和田と同じ年代で活躍した投手。ドラフトの目玉の一人、といわれるくらい高く評価をされていたのを覚えている。 ところが、知ってる人は知っていると思うのだが、過去に出演したホモビデオがドラフト前になって週刊誌ですっぱ抜かれてしまい、日本球界はドラフト指名を土壇場で見送ったのである。本人は、ホモを否定。カネの為の出演、と言っていたようだけども、エリート野球選手がいくらカネのためとはいえホモビデオに出るかねえ?
でも、多田野選手は応援したい気になってしまう。 結局日本で何もかもを捨ててアメリカに渡り、インディアンズに入団。もともと実力はある、晴れてマイナーからメジャーへと昇格したのだった。どん底からのスタートで怖いもの無しだったろう。
チームメートにはもちろん、インタビューや記者会見でも堂々と「一度の過ち」を発表したけども、過去は過去として受け入れられうまくやっているようだ。 もちろん、多田野投手も球場で散々野次られることは承知しているが、"I don't understand English, so it doesn't really matter," (英語なんてわかんないから、どうってことないよ)と言ってのける。 彼はメジャーで成功しそうな気がする。頑張って欲しい。
ところで、高津投手の好投が止まらない。 同点の9回に登板した高津は、2イニングを安定したピッチングで抑えて4勝目をマーク。これで22試合連続無失点。 もはや、「Shingo Takatsu」はホワイトソックスの顔。「SHINGO TIME!」のプラカードを観客が持ち、2ストライクで観客は総立ちで三振を要求。実に30人ぶりに出してしまった走者を背負って、最後のバッターをシンカーで空振り三振に取ると、派手なガッツポーズが飛び出した。
いやいや、それにしてもうれしい。 4月は調子が出ず敗戦処理もあった。観戦したときはブルペンでも寂しそうな表情だったのだが、少し慣れればこんなものだ。8点台だった防御率も、今や1・00。ヤンキースの守護神リベラ(0・96)に次ぐ堂々の2位である。過去の実績でもなく名前でもなく、誰もが認める実力で勝ち取ったクローザーのポジション。すっかり顔立ちも変わって、チームメートの信用を得ているのが画面からも伝わった。このままいけばオールスター出場も夢ではない。
日本ではこんな充実感は得られなかっただろう。 過去を捨てることは思ったよりも難しいけど、捨てたものだけが得られる充実感。うらやましい、と指をくわえるだけでいいのか、と思ってしまう.
Kyosuke
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