嗚呼!米国駐在員。
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シカゴカブスとマリナーズの3連戦が終わった。 試合内容そのものよりも、やっぱり日本人選手の活躍具合が気になるのは当然か。 3連戦最終日の昨日は、イチローの大活躍、8回から登板した長谷川投手の勝利、そしてこの日の登板で17試合連続無失点を記録したシカゴ高津投手と、日本人選手が3人とも活躍した。
中でも、開幕当初はぱっとしなかった高津投手のここ最近の活躍は非常にうれしい。 10点代に近かった防御率は今や1.27。ざまあみろ、である。これまでは中継ぎの登板しかないのだが、押さえのコッチが防御率5.40の大不調。もうクローザー昇格は間違いないだろう。
当初はあまり良い記事を書かなかった地元紙(Chicago Tribune)も、手のひらを返したように高津を褒める。 中でもマリナーズの3連戦は、高津と同級生でプライベートでも仲の良い長谷川、そしてイチローもいるということで、高津のわくわくする胸のうちが記事にされていた。ヤクルト時代、メジャーに行ったイチローの活躍を毎日のように衛星中継で見ていた高津。一緒のグラウンドに立てるとは、夢にも思わなかったという。
また、面白いのは高津とイチローは日本ではリーグが異なり、対戦はわずか数回だった、しかし彼との不思議な対決があった、とある。 96年のオールスターでイチローがマウンドに上り、代打に出た高津と対決、結果はショートゴロ。そして、もともとのバッターはヤンキースの松井であったというのも、不思議なものだ。そういえば、こんなことあったよなあ。こちらの記者もよく調べたもんだ。イチローが登板した事で松井に代打を告げた野村監督は、なんてつまらないオッサンだ、と思った記憶がある。それにしても、ここから8年後、この3人がメジャーで活躍するとは当時誰が思っただろうか。
シカゴの日系ショッピングセンターにもよく顔を出し、日本食屋にも出入りして気軽にファンと話すという高津投手。メジャーでは今ひとつ知名度がなくて、春先にわざわざメジャーの球団関係者を集めてピッチングを披露しての自己PR。優勝を狙えるチームでありさえすれば、年俸や契約金はもちろん、クローザーには一切こだわらなかったという。大魔神佐々木を抜いた日本記録保持者が、プライドを押し隠してがむしゃらになっている。
奥さん子供を日本に残しての単身赴任だったとは知らなかったけども、持ち前の明るさできっとアメリカにはすぐに溶け込むはずである。チームも調子はいいし、がっちりと不動のクローザーとしてもっともっと大活躍して欲しい。
Kyosuke
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