sakuraの日記
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私が子どもの頃、10月1日といえば、秋の大運動会の日と決まっていた。 小学3年生の10月1日もそうだった。
その1月程前の9月初旬に兄が新聞配達の帰りに1匹の子猫を拾ってきた。 動物大好きの私は大喜びだが、母はあまりいい顔をしなかった。でも、また捨てに 行く訳にも行かないし、という事で、結局、家で飼う事になった。 家の中にはあげない約束で、門と玄関の間で雨をしのげる屋根付きの小屋を作って あげる事になった。
始めは、そこを寝床にしていた子猫だったが、だんだん秋も近づいてくるし、大雨が降ることもあるし、外では可愛そうとだんだん夜だけは、玄関の中に入れてあげるようになっていた。子猫はジャンプ力が無かったため、上がり框に上がる事ができなかったので、家の中に上がる心配も無いし、母も許してくれた。
私は、子猫が家の中にいるのが嬉しくて、夜、寝る前にそ〜っと玄関をのぞくのが、楽しみだった。 どこで、どんな格好で寝るのかな?とそ〜っとのぞく。 あれっ、どこにもいない!おかしいな? ふと、兄の雨用の長靴が片方倒れているのが目に付いて、 おこすと、中からニャ〜と子猫が顔を出す。 うまいこと自分にぴったりの寝床を見つけた事に家族みんなで感心すると同時に あまりの可愛らしさに笑みがこぼれた。
兄の長靴は、寒い冬用で、中にはあたたかそうなボアが付いていて、きっと、 お母さんに抱かれている気にでもなって、寝ていたんやろなーと思う。 夜遅く、帰ってくる父にも、必ず気付いて、ニャ〜(おかえり)というとても礼儀正しく可愛い子だった。
私はたいてい毎晩、寝る前にはおやすみを言いに、玄関をのぞいていたのに、 9月30日だけは、なぜか忘れて布団の中に入ってしまっていた。 思い出して、「あっ、見に行くの忘れてた。ちょっと、行ってくるわ。」と 母に言うと、「もう今日は布団に入ってしもたし、明日は運動会やし、はよ寝。」と言われて、そうかな、と思って寝ることに。
1日の朝、子猫がいない。「なんで〜玄関で寝てると思てたのにー」 兄達が家の近くを探すと、家のすぐ横の路地で冷たくなっている子猫を見つける事に・・・ 30日の夜は、強い雨が降っていた。 きっと、冷たい雨に打たれて、寒くて、寂しかったろうな。
楽しみにしていた運動会の朝は、私にとってとても悲しい朝になった。 学校に行ってからもず〜っと泣いてばかりいた。 そんな、苦い思いのある10月1日です。
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