加藤のメモ的日記
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2019年06月24日(月) 徴用工問題の波紋

かって太平洋戦争時代に、日本企業が韓国人を徴用し、労働させたとする「徴用工問題」。日本の最高裁にあたる韓国大法院が、日本企業に対して元徴用工への賠償を命じる判決を下してから1か月が経過した。安倍晋三総理は、12月14日にソウルで開かれた日韓議員連盟と韓国議員連盟の合同総会に「祝辞」を送らなかった。「これまで総会には、日本側からは総理、韓国側からは大統領がそれぞれ祝辞を寄せていた。徴用工問題に反発した、日本政府による極めて異例な対応といえます」(日韓議連に属す自民党議員)

両国に関係は冷えゆく一方、かと思いきや実は日本政府には一刻も早く韓国と和解したい事情があるという。ある外務省幹部は、現在の両国の状況について、こう危機感をにじませる。「このままだと、東京オリンピックに傷がつくことになる。何とかしてお互いの敵意をなくしていかないといけない」徴用工問題がなぜ東京五輪に関係するのか。この発言の真意を、前出の自民党議員が解説する。「実は、このまま徴用工問題が長引くようなら、『東京五輪をボイコットするべきだ』という意見が、韓国側の議員内に広まりつつあるのです。

今年の平昌、2020年の東京、そして2022年は北京と、五輪はアジアでの開催が続く。もし東京五輪で韓国が欠場するような事態になれば、JOCのバッハ会長が語る「アジアへの期待」に水を差すことになる。さらに、「韓国ボイコット論」を後押しする不安要素もある。「2020年の東京オリンピックでは韓国は北朝鮮と合同で参加する予定です。北朝鮮が日本を敵視している以上、二国が同時に五輪を欠場する可能性もある」(同前)

前出の外務省幹部は、「遅くとも来年の夏までに問題の解決を図らなくては、危惧は現実のものになる」とまで語る。徴用工問題の余波は、1年半後の東京まで及ぶのか。


『週刊現代』12.29


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