加藤のメモ的日記
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2013年03月04日(月) 安倍政権暴走・全国の農家を敵に回すのか

TPP公約破り 食の安全な脅かされる

安倍首相にとって、政権復帰後初のワシントン詣でとなった日米首脳会談(日本時間2月23日)。オバマ大統領との会談で、首相はとんでもない道に踏み出した。食と農をはじめ、日本経済と国民生活に大打撃を与える環太平洋連携協定(TPP)の交渉参加に踏み出す考えを示した。総選挙で多くの候補者が「TPP反対」を叫んだ自民党。党としても事実上、TPPに参加できなくなる厳しい6項目の条件を公約として掲げたのに、選挙が終わったらこの始末。各界から強い怒りの声が上がっている。

「もともと安倍総理は、訪米前、日本がTPPで何を聖域として守るのかさえ、はっきりさせなかった。私は、訪米したらこうなるだろうとある程度は予測していたが、結果はまさにオバマ大統領の言いなりである。全国の農家は自民党に対し、選挙の時の公約はいったい何だったのかと、厳しく問い詰めざるを得ない」
JA山梨中央会長・廣瀬久信

自民党の山梨県選出議員は「私が一人ひとり直接話したとき、TPPだけは絶対反対といました。それで選挙に勝って政権交代したという経緯があるのす。今、自民党が公約を破れば、公約違反の消費増税で党がバラバラになった民主党の二の舞ですよ。安倍総理が今後、強引に交渉参加を進めるならば、全国の農家を敵に回すことになる。私たちも生活がかかっているんです」また、料理研究家の坂本氏は「日本の生きる道は、輸入に頼り食品の安全性への不安を強めるTPPよりも、安全な国産農産物の振興に知恵と力を集めることです。何よりも食の安全が脅かされます」

国民皆保険が壊される

「TPPは農業だけでなく、医療・保険を含め24項目もの交渉分野があります。国民生活全体に関わる大問題です。しかし安倍首相は日米首脳会談で、農業の聖域なき関税撤廃だけがTPPの問題であるかのように矮小化しました。その問題も全く解決されていませんが、その他の医療などは日米共同声明に含まれてさえいない。そんなやり方に国民として悪意を感じます。TPPでは、日本の国民皆保険制度が縮小・破壊されます。そうなれば企業が医療経営に乗り出し、アメリカの民間保険会社がさらに顧客を獲得し、お金のある人しかまともな医療を受けられなくなります。そんな状態になるのが、本当に日本の国益なのか、真剣な議論と検討が必要です。医師会としては、TPP反対が大方針です。参院にTPP反対の議員をいかに多く送り込むか、さまざまな取り組みをしていかねばならないと思っています」
奈良県医師会長・塩見俊次

「私たちは衆院選で、政党も本人もTTP交渉参加に反対ということを明確にした候補者を推薦することに決め、地元では日本共産党、自民党、未来の党の候補者らを推薦しました。自民党は選挙公約で、TPPに6項目の問題点を掲げていました。なのに、自民党が大勝したら、いろいろ理屈をつけて、TPP交渉に参加するなどというのはなし崩しのようなもので、裏切られた思いです。消費税問題での民主党の公約違反もひどかったが、今度の自民党はもっとひどい。そもそも自民党は大勝したといっても、比例代表選挙では27%しかとれていないのだから、何をやってもいいわけではありません。こんなことをやったら、自民党には大打撃になるでしょう。私たちも参院選に向けて、いろいろ考えていかなければなりません」
JA青森会長理事・相坂陸秀

組織の総力を挙げて運動

「我々は、今の状況でTPP交渉に参加することは反対であり、政府・与党は我々の信頼を裏切るような判断を絶対にすべきではない。交渉参加の是非を政府に一任する前に、我が国が議院内閣制であることを踏まえ、首脳会談の協議内容が政権公約の6項目を担保しているのかどうか、国益の観点から、政府・与党を挙げて慎重に精査し、その内容を国民に情報開示すべきだ。我々は、今後とも広範な国民各層と連携を深め、日本の食と暮らし、命を守るため組織の総力を挙げて徹底して運動していく」
全国農業協同組合中央会長・萬歳 章

「今までにない例外なき関税撤廃、既成緩和の徹底を目指すのがTPPです。米だけでも例外にするのが不可能に近く、乳製品や砂糖など、今まで日本が聖域にしてきた重要品目すべて(関税分類上は840品目)を守ることは不可能です。聖域なき関税撤廃が回避できるという解釈はそもそも間違っているのです。しかも、TPPは関税だけの問題ではありません。規制緩和を徹底すればすべてうまくいく、という時代遅れの方向性を強化し、若者を含む多くの雇用を失い、地域の商店街を潰し、地域医療も崩します。人々が助け合い、支え合う安全・安心な社会を揺るがす切り札です。

交渉参加の流れに抗しがたいかのような雰囲気に呑まれて、条件闘争に入るべきとの声も聞こえてきますが、決してそういう議論に乗るべきではありません。TPPは日本が聖域にしてきた、重要品目をゼロ関税にすることだけをとっても、金銭補償などの条件で何とか相殺できるようなレベルの協定ではありません。ひとたび受け入れてしまえば、取り返しがつきません。自民党内に6割を超える反対の声があっても、最後は、「官邸の専権事項」と言い訳をして幕引きをする可能性があります。そうなれば、民主党政権に勝る背信行為の極致です」
東京大学大学院教授・鈴木宣弘



『赤旗』3.3


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