加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will
| 2013年02月19日(火) |
国会議員500人削減せよ |
年収4500万円、家つき、使用人つき、年金つき、有給は取り放題
野田総理は野党時代に、税金を食う役人を「シロアリ」と罵倒し、それを駆逐するために政権交代させろと叫んだ。今ではそのシロアリを必死に食わす道化になったが、税金で腹を満たす貪欲さでは国会議員も別種の害虫だ。この最強・最悪の太ったシロアリこそ、まず最初に退治すべきだ。
現在の小選挙区制を導入した細川連立内閣時代(1994年)の選挙制度抜本改革の定数11減と、小渕内閣時代(2000年)に自由党が自自連立の条件として実現させた衆院20、参院10の削減だ。いずれも小沢一郎・民主党元代表が主導した。現在の国会議員722人(衆院480人、参院242人)体制はこのとき生まれた。2009年の衆院選の民主党マニュフェストに「衆院の比例定数80削減」を盛り込んだのも小沢氏だった。小沢氏が偉いというより、いかに定数削減をしたがる政治家がいないかの証左である。
アホでも大臣になりたがるワケ
この国では、「格差社会」の頂点に国会議員がいる。国会議員の歳費(給与)の高さは世界一で、月給・ボーナス合わせて年間2106万円。これとは別に、歳費振り込みの個人口座には、毎月100万円の「文書通信交通滞在費」が振り込まれる。非課税で使途の報告の必要もない。「つかみガネ」だ。年間1200万円だから歳費と合わせて年収3306万円、課税収入に換算するとざっと4500万円相当になる。一部上場企業の社長の平均給与、約4708万円に肉迫する。
自民党の大臣経験者は、「大臣になると、さまざまな手当てだけで手取りが月40万円ほど増える。しかし、その分は毎月、大臣室のスタッフの夜食代やSPへの心付け、各局の幹部たちとの食事会の費用として事務方に預けておいた」と、政権時代を振り返るが、民主党政権は一部の大臣を除いて、「事務所の弁当もワリカンでしっかり貯め込む大臣が多い」ようだ。国会にも約徳はある。議長と(歳費3678万円)と副議長(歳費2685万円)は格段に給与が高く、常任委員長や特別委員になると、会期中「1日6000円」が加算される。昨年は大震災で通常国会が延長され、2回の臨時国会で年間289日間も国会が開かれた。手当は年間173万円。ちなみに手当は委員会が開かれない平日も、土日も会期日数分が全額支給される。
平年の国会会期は220日ほどだが、国会がなくても歳費は払われる。議員は閉会中、“有給休暇”が取り放題なのだ。政党を通じて議員にはいるカネもある。政党には所属議員一人当たり年間約4500万円の政党交付金と、その他に1人780万円の立法事務費が税金から交付される。民主党の場合、政党交付金(約168億円)ち立法事務費(約32億円)を合わせると年間約200億円にもなる。しかし、民主党は政権についてから議員立法を原則廃止しており。法案作りは役所任せ。「立法事務所」などないのである。
では、何に使うのか。年間1000万円の支部交付金や「モチ代」「氷代」と呼ばれる若手議員への活動費としてバラ撒かれるのである。民主党は“官おろし”が吹き荒れた2011年6月、若手の不満を抑えるために1回生議員200万円、2回生議員100万円の臨時ボーナスを配り、2012年も消費税反対派にいつでも“実弾”を撃てるように、党の予備費42億円を積み上げている。10年以上、議員を務めたベテランには議員年金がつく。これは月額約10万円の保険料を最低10年間払えば引退後65歳から毎月約35万円の年金を受け取れるもので、公的年金(厚生年金や国民年金、公務員年金)を受給する人でもプラスアルファで満額がもらえる。さすがに批判を浴びて2006年に廃止が決まったが、その時点で在職10年を超えていた議員は今も受給資格を持つ。
例えば岡田克也・副総理の場合を試算すると、引退時に約1620万円(払い込んだ保険料の8割)の一時金をもらうか、65歳から月額ウ悪38万円の年金を生涯もらうかを選択できる。たった16年の保険料納付でこの役得を得た男が、国民には「年金が欲しいなら、もっと増税するぞ」と脅しているのだから、もう批判する言葉も見つけられない。ちなみに。基準では中曽根康弘・元首相(在職56年)は年間741万円、塩川元財務相(在職33年)は601万円になるが、年金以外の収入がある場合は減額され、二人とも現在の受給額は半分程度だ。
議員数はアメリカの3倍以上
税金喰いというだけでも議員はごっそり削減したくなるが、もっと腹立たしいことに、722人の議員の大半には仕事すらないのである。政権党である民主党でも、まあ仕事をしているのは政務三役と党役員くらいで、ほとんどの議員は委員会の員数合わせに駆り出され、政府が提出した法案の採決要員として起立させられているにすぎない。民主党の1年生議員が語る。「ごくまれに質問の機会が回ってくるが、与党だから政府を追及するわけではないし、役所のレクチャー通りに質問するだけ。党の部門会議に出席しても方針は最初から決まっている。会期中なのに膨大な時間の空費があって国会は本当に仕事が少ないとわかった」政務三役にしても、役所のレクチャーに従って動き回っているだけで、国の方針や運営を決めているわけではない。役所のやり方は自公政権時代と変わっていないから、自民党は野党としての政策チェックもできず、もっと暇である。
役所に溺れるシロアリの巣は、もはや立法府としての機能を全く果たせなくなった議会の廃墟だ。それは、国会議員が役人に特権を与えられて飼いならされ、「選良」がどこにもいなくなったからだろう。憲法学者の甲斐・日本大学法学部教授は、国会議員の本来の役割をこう指摘する。「憲法前文に『日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し』とある。これが議会制民主主義の規定です。人間は目先のことにとらわれ、誤った判断をするもの。それを避けるために、代表者を選び、その代表者が最善の選択をするという考え方です」
シロアリと化した国会議員は根こそぎ駆逐しなければならない。議員定数削減論議は、本来ならいい機会なのである。政治学者の佐々木・中央大学教授は指摘する。
「日本の国会議員の数が多いのは、明治以来、国の金を地方に利益誘導することが地元代表である代議士の仕事だったからです。そうした政治を改めるのだから、人口が2倍以上いる米国議会より多い議員数はおかしい。そもそも国の財務負担が増えているのは、社会保障の増加だけではなく、明治以来の国と府県による二重行政の無駄が原因です。財務再建には、行政だけでなく立法の権限を地方に委ねる分権が必要です。農業、国土交通省のインフラ整備など内は地方に権限を委譲し、国は外交、安全保障、通商などの役割に純化する。国会議員には利益誘導の役目はなくなり、半分はいらなくなる」
米区議会は上院100人、下院435人。議員は人口約58万人に1人だ。日本は人口比でその3倍以上の議員がいる。英、仏、独では人口当たりの国会議員の数は日本より多いものの、そのかわり地方議会の議員は無報酬に近いボランティアだ。国と地方トータルの「職業政治家」の数を比べると日本より圧倒的に少ない。
社会保障論の鈴木・学習院大学教授は、「日本は衆院240、参院は各県代表の47で十分」という。「なぜ議員が少ないほうがいいのか。間違ってならないのは、議員削減は政府がいう消費増税のためではない。議員を減らす程度で増税されては国民はたまりません。削減の目的は政治の効率化と議論のスピードアップ。人数が少ないほうが物事は早く決まる。さらに議員の数が減れば、国民には名前と顔が一致し、政治家の行動をチェックしやすくなる。議員が722人もいたら誰かわからない」
なるほど、シロアリか働きアリかがわかれば駆除もやりやすい。ちなみに多くの先進国では、下院(衆議院)をチェックする役割の上院(参議院)では給料さえ払われていない。甘く見ても、日本の国会議員は500人は削減したほうがいい。
『週刊ポスト』2012 2.17
|