加藤のメモ的日記
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| 2013年01月22日(火) |
金正恩ネット三昧の日々 |
スーパーマリオが大好き
世界で最も閉鎖された北朝鮮と、世界のオープン化に最も貢献しているグーグルとは、一見すると水と油の関係のように映る。ところが、金正恩との11年ぶりの再会を綴った新著『引き裂かれた約束』が、現在ベストセラーになっている「金正恩の料理人」藤本健二氏によれば、金正恩は幼いころからITオタクだったという。
「私は正恩王子を幼いころから間近で見てきましたが、日本製のファミコンが大好きでした。『スーパーマリオブラザーズ』や『テトリス』にはまっていて、よく一緒に遊んだものです。昨夏に平壌に行った時も、金正恩時代になってパソコンや携帯電話が一気に普及したと聞きました。北朝鮮にIT産業を根付かせたいというのが、正恩王子の夢なのです」
国情院関係者も「北朝鮮のインターネット人口は、現在10万人ぐらいで、メールアドレスも1000ぐらいしか取得していない。パソコンが高くて買えないという事情もあるが、一歩使い方を誤ると、2〜5年の労働強化所送りになるため、市民が怖がっている面もある。だが、今回の金正恩・シュミット会談によって、朝鮮中央通信とグーグルが提携することで、北朝鮮にIT革命が起こるかもしれない。すでに北朝鮮のゲームソフト技術は、世界のトップレベルなので、潜在的な発展の余地は大きいといえる」
たしかに、北朝鮮が開発した将棋ソフト『KCC将棋』は、2009年に東京で開かれた世界コンピューター将棋選手権で堂々4位を獲得している。中国のIT産業も最近は、優秀な人材が豊富で安価な北朝鮮にソフトの下請けを出す会社が増えている。中国の外交関係者は、皮肉を込めて語る。
「金正音がグーグルのオモチャを手にしたら、これからは退屈しなくなるだろうね。かねてから持論だった中国式の改革開放政策が、すっかり軍に骨抜きにされたため、今や半ば自宅に引きこもり状態で、暇を持て余しているからだ。自宅に引きこもっているというのは、軍強硬派による暗殺を極度に怖れているといことでもある。金正恩を見ていると、ラストエンペラーの清朝末帝の溥儀のような悲劇性を感じる」
今年、金正恩第一書記は、祖父の金日成主席が毎年恒例にしていた「正月の祝辞」を、19年ぶりに復活させた。だが、冒頭の文言から「英雄なる人民軍将兵たちよ!」と呼びかけた。そして金正日時代の軍最優先政策を示す「先軍」を連呼し、「先輩の御旗を高く掲げて軍事力強化に引き続き邁進する」「平壌市を先軍文化の中心地にふさわしい勇壮で風格ある都市に変える」などと述べたのだった。、まるで軍への媚を売るためのような、約1時間にわたる演説だった。
下半身のスキャンダル
そもそも、ついこの間まで勇ましく中国式の経済改革を断行しようとしていた金正恩第一書記は、なぜこんな体たらくとなってしまったのか。国際情勢院関係者が解説する。「それは、絶対的存在だった父親の金正日が、1年余り前に突然死したのに続き、父親の死後に絶対的存在となった叔母(金正日の妹)の金敬姫書記も、糖尿病の悪化で、めっきり弱ってしまったからだ。そこで次に頼りにしていたのが、叔父(金敬姫の夫)の張成沢党行政部長だ。だが、張部長も自らの身辺に危機を感じ、怖じ気づいている」
その結果、張成沢行政部長もまた、半ば引きこもり状態だというのだ。「過去1カ月で張部長が外出したのは、たったの8回だけだ。しかもすべて、厳重な警備がつく金正恩第一書記への同行だ。金正恩は叔父に気を遣って、このほど朝鮮労働党ナンバー2にあたる党中央委員会政治局常務委員に昇格させた。だが、妻のの権威に陰りがさしているため、張は軍の強硬派による暗殺を極度に恐れるようになっているのだ」(同)
そんな張行政部長について、韓国三大誌の一角『東亜日報』が、破廉恥なスキャンダルをスッパ抜いた。張部長の近くで長く勤務し、昨年韓国に亡命したという安昌男氏が、張部長のオフィスには、書棚にポルノ雑誌しかなく、真っ昼間からオフィスでAVばかり見て過ごしていると暴露したのだ。しかも周囲の若い女性たちを取っ替え引っかえ愛人にしているという。ちなみに夫人とは完全な仮面夫婦だそうだ。
この北朝鮮ナンバー2の降って湧いたような初スキャンダルに、北朝鮮当局は今のところ沈黙している。主が突然死した後、残されたものは引きこもりに糖尿病にAVオタク。なんとも末期的な3代目の金王朝である。中国の外交関係者が語る。「まず警戒すべきは、2月16日の金正日の誕生日前の核実験だ。その後、7月27日に朝鮮戦争の戦勝60周年を迎えるので、軍の強硬派たちの発言力は、さらに増すだろう。その間に、金敬姫にもしものことがあれば、ますます平壌奥の院は不穏になる」もはや、金正恩が今年、”朝鮮のラストエンペラー”とならないという保証は、どこにもないのである。
『週刊現代』1.26
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