加藤のメモ的日記
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2013年01月18日(金) 橋下徹とは何者か

威圧で始まった橋下府政

就任初日から大勢のメディアを従えた橋本知事は、早速、、400人の幹部職員、中堅職員らを前に次のような就任演説をし、選挙中に多用したワンフレーズ、「破産会社」発言をエスカレートさせた。「皆さん方は、破産会社の従業員である。民間会社であれば職員・給与の半減、ボーナスゼロは当たり前!」さらに、その後の臨時部長会議では、「私と一緒に死ぬ覚悟でやってください。最後に死んでください」とまで啖呵を切った。また、午後から行なわれた記者会見では、「現在、大阪府は破産状態にある」と断定し、「大阪府財政非常事態宣言」を発令した。

「収入の範囲内で予算を汲む」「府債は原則発行しない。府債のなかでも、減債基金の増発のような赤字隠しは一切認めない」ことを大原則に、全事業をゼロベースで見直した予算編成を行なうことを言明した。そのため、約3兆2000億円規模の通年予算ではなく、7月末までの4カ月間……

そのうえで、「大阪を変えたいという意気込みのない職員には府庁を去っていただきたい」「知事部局に限らず、教職員も免職を積極的に使い、府庁を去ってもらう。分限免職は一般企業では当たり前」と、橋下改革に反対する職員や教員に対して「分限免職」をチラつかせて威圧、のっけから強権的姿勢を露わにした。

しかし、そもそも教職員は、行政から独立した機関である教育委員会に所属しており、知事に「処分」などの権限は一切ない。民間企業でさえ、社長のやり方に反対したからといって、好き勝手に解雇することはできない。こんなことは世間の常識である。知事は現役の弁護士である。その法律の専門家が、知事就任日からこんなでたらめなことを言い放ったことには驚いたが、「法律」も「規則」も自分の都合で破っていいというのが、「橋下流ルール」で、これなどまだ序の口だった。

橋下徹とは何者か?

ところで、「破産会社」だから「まず、削減ありき」と言い張る知事だったがなぜか、約5兆円の府債(借入金)を抱える大阪府の財政危機の原因については、初の議会となった08年の定例府議会の所信表明でも一切触れなかった。知事の言う「破産会社」を立て直すためには、破産に至った原因を究明し、正すことが先決のはずである。この破産の原因に触れなかったことこそ、実は橋下改革の正体なのだ。そこに、触れてはいけない「タブー」が存在していたからにほかならない。このことはおいおい明らかにしていきたい。

その前にまず、橋本劇場の主役である橋本知事がどんな人物なのか、その経歴と言動から紹介しておきたい。橋下知事は、大阪府唯一の公立進学校・府立北野高校を卒業後、早稲田大学政経学部に入学。大学卒業の年に司法試験に合格し、1997年4月に弁護士登録。翌1998年4月、橋本総合法律事務所を開設した。同司法事務所のホームページによると、主要業務は、企業法務(マスコミ対応、コンプライアンス、M&A)エンターティメント法、スポーツビジネスなどとなっているが、連帯保証人の不動産を担保にして高利で貸し付け、取り立てる悪徳業者として一躍有名になったサラ金大手「アイフル」(京都市)傘下の商工ローン会社「シティーズ」(同)の代理人弁護士を1997年から2004年まで5年間務めている。

「シティズ」は、利息制限法を超える高額の利息支払いを求め、一日でも遅延すると、残金を一括して支払うよう債務者に迫り、債務者から全国的な訴訟を起こされてきた。債務者の保証人を巻き込むケースも多く、それも相当、乱暴な取り立てだったようだ。筆者は、今回の取材の過程で、1970年代の「シティズ」の被害者に会ったが、この人物は同社のあくどい取り立ての手口を、こう証言した。

「このときは、もう橋本知事は代理人を辞めていたが、相場が1億円相当の私の土地が、「シティズ」からの5000万円の借金担保になっている。返済がないので差し押さえる、という通知が突然、代理人弁護士から送られてきた。全く身に覚えがないのでびっくりして調べたら、私の知人が勝手にやっていたことがわかった。裁判を起こしたが、「シティズ」の代理人弁護士は、土地の所有者である私に一度も確かめずに、借金の担保にする書類をつくっていたんです。グルでやっていたとしか言いようがありません。当然、裁判に勝ち、土地は戻ってきましたが、橋本弁護士が当選した時、あの「シティズ」の代理人をやっていたぐらいだから、「正義感とは無縁の知事が誕生した」と驚くやら、あきれるやら、とにかく大阪は大変なことになると思いました」

この間、橋下知事は、ラジオ出演を機に関西ローカルのテレビに進出。2003年、全国ネットの「行列のできる法律相談」にレギュラー出演したことから、全国的に知名度が上がった。そうして、人気漫才コンビ『爆笑問題』が所属する芸能事務所「タイタン」に所属し、タレント弁護士として本格的に活動することになった。

周知の通り、茶髪にサングラス、ジーンズ姿の「キャラ立ち」する異色の弁護士として、テレビ局から引っ張りだこだった。「核武装発言」や「日本で一番いけないことは単独で戦争できないことだ」と、徴兵制の復活を主張し、たびたび物議をかもした。「中国での日本人の買春はODA(政府開発援助)と同じ」とも言い放ち、また、「競争の土俵に上がれる者は徹底的に競争させるべきだ」と、ニートにも厳しい立場をとり、「国家予算から単純計算すると、日本で生きるだけで一人頭47万円の金がかかる。税金も払わない奴は生きる資格がない」との方言もしている。「体罰肯定」論といった過激発言をも繰り返し、時に謝罪に追い込まれる場面もあった。

さらに、『週刊ポスト』の連載記事をまとめた著書『まっこう勝負!』でもこんな発言を展開している。「『日の丸』『君が代』が国旗や国歌にふさわしいかどうかは大人になってから考えればいいんだ。ガキにとって卒業式は重要な式典であって、『日の丸』を掲げて『君が代』を歌うことが教育カリキュラム一つ。思想や良心だなんて、クソガキが考える必要はゼロ。何が歌わない自由だ!それなら『授業を聞かない』自由、『学校を休む』自由、『チ×ポを出す』自由まであるかっていうの。生徒がこんなトンチンカンな事を言う学校は、決まって教師もトンチンカン。公立、とくに都立学校の教師が騒いでいるみたいだけど、そんなに『日の丸』『君が代』が嫌いなら学校を辞めてサラリーマンにでもなれっしゅうの」

右翼ポピュリスト

こうした言動は、「三国人発言」で知られる石原慎太郎・東京都知事と同様、識者の間では「右翼ポピュリスト」(社会進歩に反動的な立場をとり、人間の劣情を煽って支持を獲得する大衆迎合主義)と見られている。その象徴的な例が、去る2008年10月、広島地裁が橋下知事に800万円の損害賠償を命じる判決を下した名誉棄損事件である。(知事は控訴)事実上、弁護士失格の烙印を押されたも同然の厳しい判決だった。

これは、当時弁護士だった橋本知事が、山口県光市母子殺害事件の被告弁護団に対して、「あの弁護士団を許せないって思うんだったら、一斉に弁護士会に懲戒請求をかけてもらいたい」「何万、何千という形で、あの弁護士に懲戒請求を立ててもらいたい」とテレビ(『たかじんのそこまで言って委員会』)で視聴者に呼びかけたことがきっかけだった。それから2008年1月までに、弁護団の弁護士に8000件の懲戒請求があったため、業務に支障が出たとして、広島弁護士会所属弁護士4人が橋下氏を相手取り、損害賠償を求めていたものだ。

ところで、その番組出演料は、「関西ローカルの一時間番組でだいたい50万円。全国ネットでは100万から150万程度の一流タレントに近い高額なもの」で、テレビ局の至上命題である「視聴率のとれる」超人気タレントだった。また、講演料も一時間150万円と高額で、年収は3億円ともいわれ、豊中市の”億ション”住まい。また知事就任後、吹田市千里中央に建設中の超リッチなタワーマンションに転居するとの噂が立ち、写真週刊誌が取り上げたが、本人は否定した。他にも、「知事選挙のとき、ここに橋本知事が住んでいるとの噂が立ち、週刊誌が取り上げたが、本人は否定した。

その一方で、「母子家庭」「夫婦の馴れ初め」「7人の子だくさん」など、自らの「家族」を売りにしていることでも知られるが、弁護士時代に大阪国税局から約2500万円の申告漏れを指摘されていたことを「産経新聞」が報道したところ、自身のブログで「このオナニー新聞が」と、記者の名を挙げて罵倒。さらに『週刊文春』がこの件を報道し、経費に母親の再婚相手である義父(実父は小学校のとき病死)のキャバレーでの飲食代金も含まれていたことを暴露したことから、やはりブログで「三流以下の死に体週刊誌」と激しく非難した。ちなみに義父は「朝日新聞」の阪神地区の拡張団の「団長」と報じられている。長くなったが、橋下知事の人となりは、おわかりいただけたかと思う。


『橋下大阪維新の嘘』


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