加藤のメモ的日記
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三井不動産がエクソンビルを買収・ジャパンマネーが大爆発
1986年は”爆発”の年だ。チェルノヴィリ原発事故が起こった。三原山が大爆発した。スペースシャトル、チャレンジャー号は打ち上げ直後に大破した。ハレー彗星が接近して、岡田有紀子が若い命を散らし、石原真理子がプッツンと呼ばれ、ビートたけしが「フライデー」編集部に突っこんだ。衆参同日選挙で中曽根自民党は爆発的勝利を得る。しかし、ある出来事が後により大きな爆発の予兆になろうとは…。
その年の暮れ、三井不動産がニューヨークのエクソンビルを買収した。正直、あまりピンとこなかった。6憶1000万ドルという買収額も雲をつかむような価格だ。エクソンビルはアメリカの大企業スタンダード・オイルの本社で、マンハッタン6番街にそびえ立っている。ほど近いセントラルパークを望むプラザ・ホテルの一室で、1985年9月、爆発の導火線は引かれていた。先進5カ国蔵相会議、いわゆるプラザ合意だ。ドル高是正の協調介入、結果、日本は爆発的な円高と内需拡大の好景気へと突っ走る。あり余った金は海外の投資に向けられた。
1986年末の三井不動産によるエクソンビル買収はその発端にすぎない。1987年、ソニーがCBSレコードを、青木建設がウェスタンホテルを、1988年セゾンがインター・コンチネンタルホテルを買収する。そうして1989年、ソニーがコロンビアピクチャーズを、三菱地所がなんとロックフェラーセンターを2200億円で買い上げたのだ。偉人ジョン・ロックフェラーが大恐慌後の1930年代に打ち建てたその超高層ビルは、マンハッタン5番街にそびえ建つアメリカの富の象徴とも呼べるモニュメントだ。それを極東の島国の成り金どもにジャパンマネーで買い叩かれた。米国民は怒り爆発、ジャパン。バッシングに火がついた。
今となっては件の爆発の正体はわかっている。…バブルだ。が、当時の日本国民はその豊かさが泡とはじけて、その後まさか20余年も不景気が続くなんて知る故もない。1986年、日本の不動産屋が買い上げたニューヨークのビル、爆発の導火線に火をつけたのが、エクソンというオイル企業だったのはあまりにもでき過ぎた話だ。
『週刊現代』12.22
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