加藤のメモ的日記
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| 2012年12月26日(水) |
安倍晋三さんへの手紙 |
政治家の「家業」はいい商売ですか
拝啓 安倍晋三様
あなたの祖父の岸信介を尊敬しているらしいが、この元首相が戦争犯罪人であり、石橋湛山内閣で外相に就任した時には、明治天皇までが岸の欄を指さして、、「これは大丈夫か?」と心配したこのなどをどう思うかと尋ねました。そして鳩山一郎が岸について、湛山の側近だった宇都宮徳馬に、「君、岸君は悪いねえ、総理大臣が金儲けしちゃいかんよ」と語った話なども紹介しましたが、読んでもらえましたか。
あなたは、ダーティなタカ派である側面を含めて、祖父の岸を尊敬するというのでしょうか。あるいは、ダーティなタカ派の岸をこそ目指すというのですか。しかし、あなたの発言を聞いていると、タカ派とハト派の区別もついていないみたいですね。祖父も父もタカ派だったから、自分もタカ派というぐらいの幼稚なタカ、もしくは無知あるいは無恥なタカ派なのでしょう。いわゆる刷り込みというやつで、祖父や父がハト派だったらハトになっていたかもしれません。
私はあなたの父親の安倍晋太郎をリクルート疑惑の主役的政治家として記憶しています。ウシオ電気の牛尾治朗(あなたの兄弟の義父ですね)がつないだのでしょうが、リクルートの創業者、江副浩正が最も頼りにしていたのが安倍晋太郎でした。リクルート疑惑は安倍疑惑でもあったのです。それかあらぬか、疑惑が発覚した時、自民党幹事長だった安倍晋太郎は、総務会で鯨岡兵衛が、「恥ずかしくて表を歩けない」と批判するや、「私は堂々と歩いている。恥ずかしいことでもなく、法律違反でもない」と開き直りました。
この破廉恥な反論に、数少ない良識あるハト派だった鯨岡は、こう嘆いたのです。「政治家は常に自分をつねらなくてはいけないよ。先憂後楽というじゃないか。今は先楽後楽だ。先にも楽しみ、後からも楽しんでいる。国民は政治家を羨ましく思っているよ。政治家は自分でも、こんないい商売はないと思っているんだろう。税金の所得申告以上の生活ができる。だからせがれにやらせるんだろう。政治家は本当はこんな苦しい仕事はせがれにやらせたくない、というのが親心であるべきだ。
ところが、死んだらせがれにやらせたがる。この頃は死ななくてもやらせている奴がいるよ。親子で国会議員をやっているんだからね」最後は中曽根康弘、弘文の親子議員批判でしょうが、エッセイストの青木雨彦がこんなことを書いていました。自分の長兄が、「オレがなめてきた苦労を、あいつに味わわせるのは忍びない」といって、長男に家業の金物屋を継がせるのを諦めたという話に触れて、しかし、世の中には子供に継がせることに熱心な職業もある、と次のように怒っていたのです。
「その職業は、政治家と医師と芸能人。はっきりひがんで申し上げるが、これらの家業には、よっぽどいいことがあるに違いない。私が二世の政治家や医師や芸能人とその親たちが好きになれない所以である」自民党の数少ないハト派だった石橋湛山や松村謙三、そして宇都宮徳馬や鯨岡兵衛は政治家を家業として息子に継がせていないことを、あなたはどう思いますか?
『佐高信の政経外科』
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