加藤のメモ的日記
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| 2012年12月20日(木) |
日本郵政の新社長に天下り |
また財務省OBか
日本郵政が19日に臨時取締役会で決めた社長人事に、自民党が異議を唱えた。退任する斎藤次郎社長(76)、後任の坂篤朗副社長(65)と2代続けて大蔵省(現財務省)OBがトップに就くことに対し、第2次安倍政権の官房長官に内定した菅自民党幹事長代行らが強く反発した。「100%株主」として人事の見直し要求も辞さない姿勢だ。
自民党執行部には寝耳に水の交代劇だった。斎藤氏と坂氏が日本郵政本社で会見に臨む頃、菅氏は国会内で記者団に対し怒りをあらわにした。「財務省出身者によるたらい回し人事をした。官僚が自分たちの権益を守るような人事は許せない」日本郵政の株式は政府が100%持ち、安倍政権は来年6月の株主総会で新社長を解任することもできる。菅氏は、坂氏の自発的な辞退を求めるようこう言い放った。
今は、26日の安倍政権発足に向けた移行期間だ。この「権力の空白期」を狙ったかのような人事。石破幹事長も19日夕方、記者団に対し「政権移行の時期に、このような大変重要な人事を行なうことは許されない」 と不快感を示した。安倍晋三総裁も事前に聞かされていなかったという。民主党は野党時代に、官僚OBだからという理由で、自民党政権が提案する国会同意人事案を次々と葬ってきた。ところが政権交代間もない2009年10月、鳩山政権は、日本郵政の西川社長を辞任に追い込むと、後任に元大蔵次官の斎藤氏を起用した。財務OBの坂氏昇格を聞いた自民党の郵政族議員は、「民主党政権が、最後にまたやった」と批判した。
日本郵政、政治空白狙う?
社長交代会見の坂氏は表情がこわばり、自民への配慮の言葉を何度も口にした。「安倍総裁は大変素晴らしい政治家です」「私が自民党さんとの反対勢力だったことは全くない」隣に座った斎藤氏は、社内の正当な手続きで決まった人事であることを強調した。「臨時取締役会で満場一致で決まった。労働組合も郵便局長会も坂さんにお願いしたい、となった。グループの管理職と従業員の共通の認識だ」
しかし、日本郵政は政権交代の合間を狙って人事を決めたふしがある。衆院解散の直前、幹部の一人は周囲にこう語った。「政権交代の混乱の中で社長を交代すれば、坂氏が後任になれるだろう」と。旧大蔵省の「大物次官」と呼ばれた斎藤氏は小沢一郎氏に近く、民主党政権で郵政改革担当相だった亀井氏の後押しで社長に就任した。自民が政権復帰すれば、遅かれ早かれ目をつけられるのは明らかだった。一方、坂氏は大蔵省主計局などを経て、第1次安倍政権で官房副長官を務めた。坂氏と自民の関係が悪くないと見た斎藤氏は、社長交代のタイミングをうかがっていた。
18日には、政府の郵政民営化委員会が、日本郵政傘下のゆうちょ銀行が住宅ローンや企業向け融資などの新規事業に参入するのを条件付きで認める答申をまとめた。斎藤氏らの「悲願」が実現に向けて近づいたのを見届けると、その翌日には臨時取締役会を開いた。だが、この戦略は、選挙で圧勝した自民の力にねじ伏せられそうだ。解任する権限を握られ、坂氏は「まな板のコイ」になった。
小泉政権が完全民営化路線を打ち出してから、日本郵政は政治の混乱に巻き込まれ続けた。今年4月、民主、自民、公明3党が共同提出した「郵政民営化見直し法」が成立し、混乱から解き放たれるとみられた矢先の新たな火種。政治との距離をどうとるか、再び難題を突き付けられた。
『朝日新聞』12.20
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