加藤のメモ的日記
DiaryINDEX|past|will
| 2012年12月02日(日) |
糖質を摂り過ぎる危ない |
「高齢者が寝たきりになる原因は、5人に1人が認知症だといわれています。その認知症のうち、約7割がアルツハイマー病によるもの。自宅介護などで、統計的に出ていない人数を数えれば、アルツハイマーによる寝たきりはこれよりずっと多いはずです。(湘南長寿病院松川医師)原因も治療法も研究の途上であるアルツハイマー病。軽い物忘れからはじまり、記憶障害、うつ症状、運動能力の低下などを経て、5〜8年で多くの患者が寝たきりになる。一人で近所を徘徊、転んで怪我を負ってしまい、二度と自分の足で立てなくなるばかりか、急速にボケが進んでゆくケースも少なくない。心と体の両方を蝕む病なのだ。
「認知症?まだ自分は大丈夫」「ボケるかボケないかは運次第」と考える読者も多いかもしれない。だが、浴風会認知症介護研究東京センターの須貝医師はこう警告する。「脳の委縮など、アルツハイマー病につながる変調は、発症の10年前、20年前からはじまっています。定年退職などで暮らしのリズムが崩れることが、認知症発祥の引き金となることも多い。団塊の世代が後期高齢者になると、300万人以上、つまり高齢者全体の10人に1人が認知症という未曽有の時代がやってくる。これが”2025年問題”です。本気で策を講じないと、大変な事態になってしまう」
全国の認知症患者はすでに200万人を超える。日本をこれ以上「認知症大国」にしないためにも、まずはその予防法を見ていこう。近年の研究では、アルツハイマー病と食生活が大きく関係することがわかってきている。アルツハイマー病というと、遺伝や性格など、自力ではどうにもできない病というイメージが強い。だが実際は、遺伝要因はわずか1割にも満たない。
「ジュースや菓子パンが好きで、ラーメンには必ずチャーハンを頼み、おまけに運動不足。10代20代からこんな生活を続けていた人は、、アルツハイマー病の原因物質とされるβアミロイドが脳に溜まっているかもしれない。しかも一度溜まったβアミロイドを取り除くことは、現段階では難しい。糖尿病治療に詳しく、『就職をやめると健康になる』などで糖質制限食を提唱する高津病院理事長、江部医師が驚くべき研究結果を語る。
「九州大学が、福岡県の久山町の65歳以上の高齢者826人を15年間にわたり追跡調査しました。その結果、糖尿病とその予備軍の方は、通常の人と比べアルツハイマー病発症の確立が実に4.6倍にもなることがわかった。オランダのアムステルダムで行なわれた同様の調査でも、1.9倍という数値が出ています」アルツハイマー病は「脳の糖尿病」とも呼ばれる。血糖値を下げる物質・インスリンを分解する”インスリン分解酵素”は、βアミロイドを分解する働きも併せ持つ。血糖値が高いとこの酵素は本業であるインスリンの分解で手いっぱいになり、βアミロイドの分解まで手が回らない。そのため、脳にβアミロイドが溜まりやすくなるのだ。さらに、高血糖だと、脳の血管の壁がボロボロになって詰まるために起こる「脳血管性認知症」のリスクも高い。
「ボケて寝たきり」を避けるには、どんな食生活を送るべきか。自治医科大学埼玉医療センター元教授の植木医師に聞いた。「まず大前提として、当たり前のことですが、バランスのとれたメニューをしっかりと食べることです。パンや菓子など、炭水化物と脂肪だけでカロリーを取るような食事を続けると、糖尿病もアルツハイマーのリスクも高くなる。よく噛み歯を健康に保つことも、脳に刺激をを与えるので大切です。和食の栄養バランスも脳にはよいですが、塩分過多になりがち。そこで注目されているのが、パエリアに代表されるスペイン料理など、地中海型の食事です。魚と野菜を中心に、トマトやオリーブオイルを使い、肉と乳製品が少ない。この地中海型メニューは、アルツハイマー予防に役立つことが科学的にも証明されています」
薬の実用化まであと5年
今まで何十年も不節制を続けてきたという人も諦めてはいけない。まずは、1日1食、魚を食べる生活を2〜3カ月続けてみる。そうすれば、全身の組織が「ボケに強い」ものにだんだんと入れ替わってゆくのだ。何事も継続が肝心である。また、ボケ防止には、趣味を持ち他人とのコミュニケーションをとることが大事だともいわれる。例えば友人と一緒に脳に良い料理をつくれば一石二鳥だ。「料理は段取りを考えて手先を動かすため、認知症予防に最適である。歌を歌ったり、楽器を弾いたりといった、体と脳を連動させなければできない行為も有効です。最近は、定年を迎えて初めて『よし、何か趣味を見つけるぞ』と意気込む人が多いですが、だいたいうまくいかず、結局ボケまっしぐら。40代、50代のうちから何か仕事以外に打ち込めるものを見つけておくのが得策です」(松川医師)
早いうちから心がければ、ボケは防げる。だが、それでももし、ボケてしまったら…。心強いことに、最新医学は今まさに、アルツハイマー病に立ち向かう術を着々と編み出している。「昨年、3種類の新しい薬が認可されましたが、その一つは肌に塗るタイプの薬で、治療の選択肢が一挙に増えました。劇的に回復させることは難しくとも、認知症の進行を食い止めることはできるようになってきている。投薬治療を受け始めてから、記憶力などが改善した患者さんも中にはいます」(植木医師)
さらに、脳細胞が死滅する原因と目される、βアミロイドを取り除くための「アルツハイマーワクチン」も急ピッチで開発が進められている。今年に入り、数千人規模で臨床実験が行なわれた米・イーライリリー社のワクチン”ソラネズマブ”は、βアミロイドを減少させ、一部の患者でアルツハイマー病の進行を30%以上遅らせた実績を持つという。まだ副作用などの問題が残っているため、実用化まではあと5年前後かかる見通しだが、完成すれば画期的な特効薬となるかもしれない。
『週刊現代』11.3
|