加藤のメモ的日記
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2012年09月29日(土) 強権独裁政治を全国に

雇用・福祉は過激な新自由主義で破壊される

「維新八策」の経済政策に並ぶのは競争力強化、国・自治体・都市の競争力強化、競争力を重視する自由経済など、競争力強化一辺倒である。それしかないといっても過言ではない。大企業向けには競争力強化のためのインフラ整備を掲げるとともに、徹底した規制改革を打ち出し、産業の淘汰を真正面から受け止める産業構造の転換を主張している。まさに弱者は去れという弱肉強食の社会づくりである。

そのもとで、国民生活がどうなるかには極めて冷淡で無頓着である。大金持ちには、さらなる所得減税となる、超簡素な税制=フラットタックス化を打ち出す一方で、労働者に対しては、解雇規制の緩和を含む労働市場の流動化で、いっそうの不安定雇用を強いる方向である。小泉構造改革のもと、製造業派遣の解禁などで、貧富の差が拡大したことから何ひとつ学ばず、今度はクビ切り自由の解雇規制の改革で、国民をいっそう困窮に追いやろうとするものである。まさに過激な新自由主義に他ならない。

その姿勢は社会保障にも貫かれている。「維新八策」は社会保障について、自助、共助、公助の範囲と役割を明確にし、真の弱者支援に徹する、と明記している。本来、すべての国民が受ける権利を持つ社会保障を真の弱者だけに絞り込み、合理化、効率化の名で社会保障費を削減しようというものである。真の弱者支援というのは、社会保障の切り捨ての口実にすぎないのである。

一つは、保険で受けられる医療を切り詰めようということである。八策では、公的医療保険給付の重症患者への重点化を口実として、軽症患者の自己負担増を方針化している。橋本氏は、風邪とかばかりを扱う開業医がどんどん増えてくる。(8月30日)と地域医療を敵視し、公的医療保険制度の範囲を見直す、としている。さらに米国が求めている混合診療を完全解禁する、と明記している。混合診療は、保険のきかない医療を拡大して患者に負担を求めるもので、”命の沙汰も金次第”にしようとしている。また、生活保護について、今でも本来対象となる人の2割程度しか利用されていない制度をさらに改悪し、保護の打ち切りにつながる有期制や、現在は無料で受けられる医療への自己負担導入などを盛り込み、給付をさらに絞り込もうとしている。



モノ言えぬ恐怖政治に道

「維新八策」は大阪府。市の職員基本条例や教育関連条例を、さらに発展、法制化することを明記している。いわば”大阪方式を全国に”が合言葉である。大阪方式でやられてきたのは何か。橋本市長が就任早々に実施したのが、大阪市の職員に対する思想調査だった。職員の思想・信条を調べ上げ、街頭演説の参加や、それに誘った人、誘われた人の名前まで、密告さながらに答えさせるもものだった。役所に出入りする民間業者や、近所の人の名前まで書かせるのか、などの反発や、大阪府労働委員会による事実上の中止勧告のなかで取りやめざるを得なかったが、この動きは、市職員の政治活動を制限する条例へとつながった。

7月には、維新の会などが同条例を強行。デモの企画、集会などでの政治的意見の表明、政治的目的を有する文書の発行や、演劇の演出、政党機関紙の配布など10項目を禁止し、違反者は懲戒免職を含む懲戒処分の対象とする異常な内容である。市長や市政への批判を懲戒処分で封じ込め、モノ言えぬ職場をつくろうというものである。しかも八策では、「地方公務員制度も抜本的改革」としており、政治活動制限を法制化しして全国に広げる考えを示している。すでに国会では、自民党・みんなの党などが地方公務員の政治活動を制限する地方公務員法改悪案を提出している。

大阪市では、条例以外にも勤務時間中に10分程度、喫茶店に立ち寄った職員が市民の通報で懲戒処分にされるなど、密告社会の雰囲気まで広がっている。

大阪府・市の動きは、憲法が保障する思想・信条の自由を侵害するもので世界でも異常である。こうした動きの大本には、橋本氏の特異な立場がある。橋本氏は「皆さん、公務員は国民に対して命令する立場に立つんです」(4月2日)「市役所の組織自体が、市長の顔色をうかがわないで、誰の顔色をうかがうのか」(4月13日)などと発言。公務員を全体の奉仕者から、国民への命令者へ、その命令者を首長の下僕にする立場を示している。その行き着く先は、行政改革・公務員改革の名を借りた、モノのいえない恐怖政治への道に他ならない。


『赤旗』9/7


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