加藤のメモ的日記
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2012年08月14日(火) 本当のお金持ちとは

本当のお金持ちとはどういう人でしょうか?私の顧客は主に銀行や保険会社などの機関投資家絵でしたが、、稀に個人の大金持ちとお会いする機会がありました。ある日本の方は数百奥の金融資産をお持ちでした。繁華街を少し離れた簡素な住宅地に静謐なお屋敷のようなオフィスを構えてらっしゃいました。私はそこへ何度かお邪魔することになりました。

初めてお会いしたときにその方はおっしゃったのです。「ある金融機関と付き合った時、自分は当然ファースト・クラス級の扱いを受けているんだろうと思っていた。そうしたら、とんでもない!エコノミークラスだったんだ」自分がカモにされたという怒りでした。「あなた様のために特別にご用意いたしました」そう言われ、プライベート・ファンドを数十億円購入したそうです。ごく少数の大口投資家だけを募るファンドです。

購入後、ファンドの価値が、あれよあれよという間に下がっていきます。調べてみると、他の客はさっさと解約していて、資産の中身は痛んだものばかり。機がついた時には、投資しているのは自分だけたった……というのです。それ以降、金融機関からの話は絶対に信用しないとおっしゃいました。私が説明していても心を許す態度は一切見せず、「騙されないぞ!」というオーラがひしひしと伝わってきます。重要文化財クラスの屏風を保有する米国の財団の主もそうでした。私を不審人物のように見る目を始終崩されることはありませんでした。

『本当のお金持ちは猜疑心のかたまり』それが私の結論です。
●人を見たら泥棒と思え。
●石橋を叩いて渡らない。
●おカネの世界にファースト・クラス級の快適なサービスなど存在しない。
それが超の付くお金持ちが持っている認識です。

ただ、私にはお二人とも人生を楽しんでいらっしゃるようには見えませんでした。おカネに人生を縛られていらっしゃるようで気の毒になったのです。お二人共通したのは、莫大な資産は相続したもので、ご自分で作り上げたものではないという事実でした。人生の選択の自由がないように莫大なおカネから逃れられない運命を背負っておいでだったのです。死ぬ間際まで、このおカネをどうしよう?と苦しまれるのだと思います。

「ビートルズは、欲しいだけの金を儲け、好きなだけの名声を得て、何もないことを知った」   ジョン・レノン




『週刊現代』8/11


加藤  |MAIL